シャカの妊娠騒動の後・・・
ミロは宝瓶宮のカミュの元へと遊びに行き、開口一番こう言った。
『なあ、カミュ、俺たちも子供作ろうぜ!』
『無理だ』
きっぱりはっきり言い切るカミュ。
『所詮、男同士ではどう頑張ったところで子供はできん。それに私にはすでに氷河がいるから、別に子供など欲しくは無い』
『そ、そんな・・・でも俺は、カミュと俺の愛の結晶、2人だけの子供が欲しいんだよ!なあ、カミュ!』
『愚問だな。例え私とミロで頑張って子作りしたところで、所詮私には元々子宮などないし、しかも入れる場所も違う。これで子供ができるほうがおかしい』
『・・・カミュ・・・お前ってなんでそんなに冷めてるっていうか冷静なんだよ・・・?』
『冷静?私は普通のことを言っているだけだ』
『うう、それはそうなんだけどよ、やっぱり欲しいぜ!俺とカミュの子供!』
『・・・・・・』
『なあなあカミュ、今夜、ヤッてみようぜ!もしかしたら子供できるかもしれないし!』
『・・・できるはずなかろう?諦めろ』
『でもよ、やってみないと分からないだろ?』
『・・・・・・・』
『なあ、いいだろカミュ、一度でいいからさ、やらせてくれよ!』
『・・・・・・・・・』
『な?一発だけでいいからさ』
『・・・・・・・・・・』
『・・・・・・だめ?』
『・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・フ、仕方ないな、好きにするがいい』
とうとうカミュはミロの強引アタックに折れてしまった。
『本当か、カミュ?やった!!』
そしてミロはカミュにガバッと抱きつくと、首筋にキスしてきた。
『なあ・・・カミュ・・・・ここ、感じるか・・・?』
カミュの白い肌にキスしては、キスマークを付けていくミロ。
『カミュって、肌白いのな?やっぱシベリア育ちだから?』
『・・・・・』
『ああ、やっぱカミュの素肌ってサラサラ滑らかなんだな』
『・・・・・・』
『な、カミュ、本当に感じてる?』
『・・・・ああ、感じてるから心配するな』
『その割には、全然変化ないんだよな、な?本当に感じてるのか?』
『・・・・感じてると言っただろう?大体お前は喋りすぎだ。もっと静かにできないのか?』
『だってよ、カミュがあんまり無反応なもんだから、つい心配になって・・・それよりカミュの方も、俺に抱かれてる時くらいはクールにならずに、もっと素直になれよ?』
『フッ、私はいつでもクールを貫き通す!たとえ抱かれていようがな!』
『・・・カミュ・・・・そのクールさがいつまで持つかな?』
『・・・・なに?』
ミロは、突然カミュにキスして、そのくちびるを塞いだ。
そして強引に身体をまさぐっていく。
『よ・・・よせ!ミロ!』
『やだ、やめない』
そのまま、紅潮しているカミュをベットに横たえて、その胸元にキスを落としていくミロ。
カミュはミロの愛撫を受け、そのクールな態度が途端崩れる。
あきらかに感じてる証拠だ。
それがミロにとってはたまらないのだ。
カミュ・・・俺だけに見せるお前のその感じる表情・・・・
決して他では見せない表情を、ミロにだけには見せてくれるカミュ。
やっぱカミュは俺だけのものだ!
ああ、カミュ!お前はなんて綺麗なんだ!!
そして、カミュの大事なところへと手を伸ばしていき、そこを愛撫する。
途端、カミュが吐息のような色っぽい声をもらす。
『・・・カミュ・・・感じてる・・・?』
『・・あ、ああ・・・・』
それを聞いて、さらにミロは、カミュのモノを指で優しく刺激してやる。
カミュはミロに触れられるたびに、その体がビクッとなる。
そうとう敏感で感じやすくなってる証拠だ。
こうなったらあとはミロのペースに持ち込んでいけるはずだ。
普段クールなカミュでも、さすがに快感には抗えないようで、息も荒くなってくるし、体温も上昇している。
そんな感じてるカミュに、ミロもそろそろ我慢できなくなってきた。
そして、
『カミュ・・・・俺が欲しいのか・・・・?』
わざとミロはいじわる気にそう訊ねた。
カミュは答えないが、明らかに欲しいそうにしている。
『なら、俺が欲しいと、そう言ってみな?』
ミロにそう言われ、カミュは若干抵抗を感じながらも、喘ぎながら掠れた声で呟いた。
『・・・・ミロ・・・・お前が・・・欲しい・・・・』
カミュの喘ぎながらの色っぽい声音に、ミロもさらに興奮してきた。
『俺に入れて欲しいんだな?』
『・・ああ・・・お前に・・・入れて・・・欲しい・・・・』
『分かった、入れてやるよ、カミュ・・・』
そしてミロは、カミュの足を抱え上げると、正常位の格好で、一気にカミュの中へと己を突っ込んだ。
途端、苦痛と快感の入り混じったような悩まし気な表情を浮かべるカミュ。
それを見てるだけで、ミロはさらに深くカミュの最奥へと潜っていく。
カミュの暖かい体温が、ミロに直接伝わってくる。
『ああ、カミュ・・・いいぞ!!』
『ミ、ミロ・・・!!』
こんな姿、氷河とアイザックには見せたことないんだろう?カミュ?
ミロの突きで、カミュが切なげな表情を浮かべる。
そんなカミュを見下ろして、更に激しく強く突くミロ。
俺の突きで感じるお前のその表情・・・
もっと、もっと、カミュが欲しい!
子供なんかできなくてもいい。
こうしてカミュの中にいられるだけで、一つになれるだけで、ミロは幸せだった。
普段クールで、なかなか夜の相手をしてくれないカミュだからこそ、たまに抱かせてくれる時の乱れようのギャップが余計そそるものがあるのだ。
今夜だけは、お前は俺だけのものだ、カミュ!
弟子のことなんか忘れさせてやる。
氷河にも、アイザックにも、絶対渡さない。
お前を俺だけのものにしてみせる!!
『・・・カミュ・・・もう、イキそうだ、中に出してもいいか・・・?』
『・・ああ・・・中に・・・出してくれて・・・構わないぞ・・・ミロ・・・・』
カミュはそう言ってくれたが、本当は、中出しすると、後で腹痛に襲われるので、あまりしたくはなかったが、だが、ミロはカミュの言葉に甘えることにした。
『・・はッ・・・はぁ・・・カミュ・・・・好きだ・・・!!』
そして、ミロは、カミュの中に己を解き放った。
そしてまた、カミュも、ミロと一緒にイッた。
2人ベットにぐったりして、荒い息をついていたが、まだ余韻に浸るミロを残して、カミュは上体を起こすと、自分のアレを丁寧にティッシュで拭き取り、ふうと溜息をついた。
その様子に、ミロはカミュが怒っているのではないかと不安になった。
『・・・カミュ・・・もしかして、怒ってる・・・?』
『いや、ただ、男同士でこんなことをやっても、仕方ないと思ったまでだ・・・』
『そんなこと!!俺はカミュが好きだから抱いたんだ!男同士では愛し合うのはいけないって言うのかよ!?』
『別にそういうつもりではない。ただ、非生産的な行為だなと、そう思ったんだ』
『・・・カミュ・・・・』
ミロは悲しくなった。
あまりにもカミュは冷静沈着過ぎる。
乱れる時は乱れるが、それが済むといつもこうだ。
冷静に今の状況を判断して、クールに対処する。
それが情熱的なミロにはイマイチ分からなかった。
ミロは、カミュのことが好きだから、1つになりたいから彼を抱いた。
だがカミュは、その行為が、男女のそれと違い、子供もできない無意味な行為としか思っていないようだ。
好きだからこそ抱いたのに、カミュには俺のその気持ちが分からないのか?
そんなミロを残して、カミュはベットから立ち上がると、
『・・・シャワー、浴びてくる・・・・』
そう言い残して風呂場へ行ってしまった。
カミュ・・・早く俺に抱かれた体を綺麗にしたいのか・・・・?
ミロは、カミュと触れたところを洗いたくないとすら思っているのに、反面カミュは、早く綺麗に水で洗い流したいらしい。
そう思うだけで、辛かった。
やはりカミュは男なんだ。
男に抱かれて嬉しいはずがない。
そんなこと分かっていたはずだ。
それでも!俺はカミュが好きなんだ!たとえ男同士であろうとも。
ミロは1人、ベットに仰向けに寝転がり、天上をボーと眺めていた。
カミュは悩んでいた。
たとえ男同士で抱き合ったところで、しょせん子供などできない。
ミロもそんなこと分かっているはずだ。
それなのに、なぜ私を抱いた?
好き?愛してる?
分からない。
なぜ男である私のことを愛せるんだ?
ミロの心が分からない。
そして、自分の心をも・・・
確かにミロに体を許した。
彼に抱かれた。
彼に愛撫されて、感じて、思わず声までもらしてしまった。
挙句の果てには、女みたいに、彼を中に受け入れて、1つになり、絶頂を迎えて・・・射精してしまった。
なぜだ?
彼は、ミロは男だ。
そして私も男だ。
男が男に抱かれて、射精までしてしまうものなのか?
それはやはり好きだから?、愛しているから?
私はミロを好きなのか?、愛しているのか?
・・・・確かに、彼の子供が欲しいと、そう思ったこともある。
しょせん男である私には無理なことだが・・・・
だが、そう思うことこそが、2人の子供が欲しいと思うことこそが、愛している証拠なのか?
私は・・・・ミロを愛しているのだろうか・・・・?
カミュは、冷たいシャワーをその身に浴びながらも、そんなことを延々考えていた。
ミロに突かれたところが妙に痛い・・・・
体内に入ったミロのモノが、アレが・・・今、自分の中に入っていると、そう思うだけで、不思議な気分だ。
女だったら、それで子供ができるだろうに、しょせん男の身である自分には無理なのだ。
なぜか、それが無性に悲しかった。
もし、女だったら、こんなにも悩む必要もなかっただろうに。
男のこの身が恨めしい。
カミュは気付いていなかったが、そう思うことこそが、ミロを愛してる証拠なのだ。
だが、自分自身では、その思いに気付く事はなかった。
カミュにとって、ミロは親友。
それ以上でも、それ以下でもないのだから。
ミロがカミュを抱いたのは・・・・男同士で関係を持つのは、女性のいない聖域では、そう珍しいことでもないだろう。
カミュはそう思っていた。
ミロほどのいい男だ。街に出れば女など簡単に捕まえられるだろうに、なぜよりによって男の私など相手にするのか、カミュには分からなかった。
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あとがき
カミュとの子供を欲しがるミロと、
男同士では所詮子供はできないと分かっているのに、ミロに抱かれるカミュ。
冷静沈着な水瓶座(カミュ)と、情熱的な蠍座(ミロ)の愛のカタチ?
(今回のBGMは、林原めぐみさんのアルバムですv) |
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