わたしは今日も、夢の中であなたに逢いに行くの。
毎夜夢に見る、あの雪の降る古い家屋へと、
あなたを探してさ迷い歩くわたし。
「あなたにまた逢いたい・・・・!」
ただそれだけが今のわたしの望み。
もしあなたに逢うことができるのなら、わたしはこのまま夢から醒めなくてもいいと思う。
ずっとこの夢の中の世界で、あなたを待つの。
あの日、あの雨の日、あなたを事故で失くしたあの日から、
わたしの時間は止まっているの。
なぜ、わたしだけ生き延びてしまったの?
あなたのいない世界など、なんの楽しみも喜びもないというのに。
あなたを失った悲しみや痛みだけが、ただわたしを苛むだけだというのに。
こんな辛い想いをするくらいなら、あの時わたしも、あなたと一緒に逝きたかった。
ひとり取り残されるくらいなら、あなたのいる世界へ、わたしも行きたかった。
なぜ、あなたはわたしを置いて、ひとりだけでいってしまったの?
もしまた夢の世界であなたに逢うことができたなら、今度こそ、わたしも連れて行って。
あなたのいる、その世界へと。
毎夜夢を見るたび、わたしは廃屋を彷徨うの。
あの日、はじめてこの夢を見た時に、あなたに逢えたから。
「またあなたに逢いたい・・・!」
ただそれだけを願いながら、望みながら、わたしは廃屋をさ迷い歩く。
いつかきっと、あなたに出会えると信じているから。
もういちど、あの声が聴きたい。
夢から醒めるたびに、背中に走る鋭い痛み。
それは起きるたびに徐々に広がっていくような
でもいいの。
あなたに逢うことができるなら、夢を見続けることができるなら。
この疼くような痛みさえ、我慢できる、耐えることができる。
「優雨・・・・、あなたに逢いたい・・・・」
いまのわたしの望みは、ただそれだけだから。
そしてわたしは今夜も、あなたに逢いに夢に墜ちていく・・・・
|
あとがき
「零〜刺青の聲〜」から、事故で失った恋人・優雨を探して彷徨う主人公・怜の心情を歌ってみました。
毎夜夢に見る、雪の降る古い廃屋、そこでいつか優雨に逢えると信じて彼を探してさ迷い歩く怜。 |
|
|