あなたに逢いたくて・・・v


前回までのあらすじ:
カノンが黒サガにピー!されちゃってる夢をみてしまったラダマンティス。
そして彼は・・・


「カノーーーーン!!!!」
バッ!
ラダマンティスはカノンの名を呼び、思わず寝ていたベットから跳ね起きていた。
「ハアハアハア・・・・、なんだ、夢か・・・・?」
辺りを見回し、それが夢だと分かり安心するも、体中びっしょりと汗をかいていた。
「くそっ!それにしても、なんて夢だ・・・・・」
カノンに密かに(?)想いを寄せているラダマンティスにとっては、カノンが黒サガに犯される夢などまさに悪夢そのものだった。
「・・・・・まてよ。まさか、これは正夢だということはないだろうな?」
なぜかふいに、そんな思いに捕らわれ、いてもたってもいられなくなったラダマンティス。
「そうだ!きっとそうにちがいない!くっ、こうしちゃおれん、早くカノンを助けに行かなければ!」
なんの根拠があるのか勝手にそう決め付けると、さっそくラダマンティスは愛しのカノンの元へと向かうことにした。
彼は急いでベットから飛び降りると、着ていたパジャマを脱ぐのももどかしく破り捨て、ワイバーンの冥闘衣を装着する。
髪型も、眉毛もばっちり整え、香水も全身に振り掛け、準備万端いざ出発!
冥界の大空(?)へと羽ばたいて行った・・・


一方、その頃、聖域のカノンはというと・・・・

「リーチ!」
「ちっ!先をこされたか」
じゃらじゃらじゃらじゃら、何人かの仲間でまーじゃんなどしていた。
「おい、カノン、まさかイカサマなんざしてねえだろうな?」
「ああ?俺がんなせこいマネするわけねえだろ。そういうデスこそなんかしてんじゃねえか?」
「ふん、俺をなめてもらっちゃあ困るな。俺はいつでも正々堂々と勝負してるぜ!」
「嘘つくなよ、卑怯者のくせに」
「そうさ、シュラのゆうとおりだ、君はいつでも卑怯だからな」
「なに言ってやがるアフロ!お前だって似たようなもんだろう?」
「失敬な。君なんかと一緒にしてもらっては困るな。」
「あーうるせえうるせえ、お前ら、口喧嘩するならゲームの邪魔だ。あっち行け!」
カノンに、しっしっと手を振られて、それまで口論していたデスマスクとアフロディーテは渋々口を閉じた。
「よし、それでいい。じゃ、続きすっか?」
と再びまーじゃんに興じようとしたまさにその時!

突如彼らの真上上空から、なにか巨大なものが舞い降りてくるではないか!
それは黒い大きな翼を広げて、真っ先にカノンの元へと舞い降りてきた。
『カノーーン!!逢いたかったぞ!!」
が、
「ゴールデントライアングル!!!」
間髪入れず放たれた、まーじゃんを邪魔されたカノンの怒りの必殺技によって、あっけなく消失するラダマンティス。
それをぽかんと見ているカノン以外のまーじゃん仲間たち。
「くそっ!あの野郎、せっかくのゲームを台無しにしやがって!!!」
カノンはイラ立たしげにそう吐き捨てると席を立った。
「今日は、もう辞めだ。帰るぞ」
言ってきびすを返すととっととその場を後にしてしまった。

後に残された、デスマスク、シュラ、アフロディーテの黄金年中組(別名・カノンの悪友たち)は、
「カノンの奴、いつになく機嫌悪いな」
「そりゃそうさ、もうすぐリーチだっていうのに、突然の闖入者にそれを邪魔されたんだからね」
「それにしてもあの怒りようはただものじゃないぞ。有無を言わせずいきなり異界に飛ばしてしまうのだからな」
「確かに」
となにやら囁きあっていた。


一方その頃、カノンの怒りによって魔の三角地帯に飛ばされたはずのラダマンティスはというと・・・
「・・・・はっ?ここは?」
目を覚ますとそこは、一面の花畑だった。
「む、ここはもしや・・・あの世か・・・・?」
噂に聞く天国の花畑かと思い、辺りをきょろきょろ見渡せば、
「おい、お前。ここでなにをしている?」
突如、背後から声をかけられ、思わず振り向くと、そこには・・・?
「?」
竪琴を抱えた1人の青年が立っていた。
そしてその背後には、なぜか下半身が石になっている女性の姿が。
「オルフェ・・・・その方は・・・・?」
女性は不安げに青年に声をかけた。
「だいじょうぶだよ、ユリティース。相手が誰であろうと、君には指一本触れさせない。君はわたしが命に代えても守るからね」
と、青年も女性を安心させるように優しく微笑んだ。


一方その頃カノンは・・・・
大きな溜息などついていた。
正直、毎度毎度のラダマンティスの猛烈ラブアタックにうんざり気味のカノンだった。
「くっ、あの野郎・・・・、なんでこう毎回俺のとこに来てはちょっかいかけやがって、正直うぜえ」
なんとかラダマンティスの興味を、誰か他のことに向けることはできないか?
そう考えていた時だった。
「そうだ、あいつを冥界から出さないようにすりゃ、聖域には来れねえんだよな。」
しばし考えていたカノンは、あることを思いついた。
「よし、さっそくパンドラに相談だ」


そしてここは冥界、
いつものように大きなハープを奏でるパンドラの元へ、珍しい客人が尋ねてきた。
「おや、珍しいこともあるものだ。まさかお前がわたしの元を尋ねてこようとはな」
パンドラは意外そうに微笑んだ。
「して、わたしになにか用事があるそうだが、なんだ?言ってみよ?」
「・・・相変わらず尊大な女だな。まあいい。さっそく命題に入るが、正直ラダマンティスのやつをなんとかして欲しいんだ」
客人・カノンは単刀直入にそう切り出した。
「ふむ、やはりそうか。ココ最近ラダマンティスの様子がおかしいとは気づいておったが、やはりお前に・・・・」
と言って小さく笑うパンドラ。
「笑い事じゃねえんだよ!こっちはあいつのせいでおちおち寝てられないんだ」
「ほう、とうとう寝込みでも襲われたか?」
「いや、別にそういう訳じゃねえけどよ。というかそんなことされたら俺は確実にあいつの息の根を止めるけどな!」
躊躇なくそう言い放つカノンに、若干眉をひそめてパンドラが忠告する。
「なぜそんなにラダマンティスを嫌う?彼はお前のことを好いているのであろうに」
「いや、男に好かれても別に嬉しくはねえしな。それに俺には・・・・」
と言いかけてあわてて口を閉ざす。
「まあとにかく、あいつをこれ以上聖域に近づけないで欲しい」
「ふむ・・・・」
カノンの頼みに、しばし黙考してから、パンドラは、告げた。
「なら、交換条件を出そうではないか。お前の頼みを聞くかわりに、お前にもわたしの頼みを聞いてもらう。それでいいな?」
「ふーん、どんな頼みかはしらねえが、これでラダの野郎が俺の目の前に現れなくなるのなら、その条件、飲もうじゃねえか」
「ふふ、それなら話は早い。では交渉成立だな」
言ってパンドラは、口元に妖艶な笑みを浮かべたのだった・・・・。


つづく・・・?


次回:果たしてパンドラの頼みとはなんなのか?
そしてカノンは無事、ラダマンティスのラブアタックから逃れることはできるのか?
そしてそして、果たして本当に続くのか?
数々の謎を残したまま、待て!次号!


あとがき

「聖闘士星矢 冥王ハーデス冥界編」のDVD発売記念を祝して!
というのは、半分嘘です。
実はこれ、だいぶ昔に書いたまま放置されていたので、続きが書けないままアップしました。
続きははっきりいってまだ考えていません、ごめんなさいm(__)m
でもでも、冥界編のDVD発売はほんと嬉しいでーす!!
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