パンドラとハーデス
ここは冥界。
そこでは・・・
ある日、ハーデスは考えていた。
『・・・こうして、冥界にいても、実に退屈だ』
そして側に控えていたパンドラに言った。
『パンドラよ、余は退屈だ。なにか面白いことはないのか?』
『は、ハーデス様、実は極上の映像ディッシュがございます。どうぞお召し上がりください』
と、パンドラは1本のビデオテープを取り出すと、それをビデオデッキへと挿入した。
そして・・・
流れてきた映像には・・・
昼寝をしているヒュプノスに、イタズラしようとしているタナトスの姿が・・・!
『な、なんだこれは!?』
思わず身を乗り出すハーデス。
するとパンドラは厳かに言った。
『はい、以前ハーデス様が、男同士の愛にいたくご興味がおありのご様子でしたので、冥界のいたるところにこっそりビデオカメラを設置しておいたのです』
『そ、そうであったか・・・それでこのような映像が撮れたのだな・・・、よ、余は満足だ・・・・』
と、鼻血を抑えるハーデス。
初めて、男同士の絡みをその目にしてしまい、ハーデスはそうとう興奮しているようだ。
『ハーデス様にお喜びいただけて、光栄至極に存じます。つきましては、もっと凄い映像もご用意しておりますが・・・・ご覧になられますか?』
『なに!これよりももっと凄い映像があると申すか!?』
『はい、先ほどご覧になれた映像など、ほんの序章に過ぎません。』
昼寝をしているヒュプノスにキスをしようとしているタナトスの映像を見ただけで、鼻血を出してしまうハーデスのことだ、それよりももっと凄い男同士の絡みを見てしまったら、それこそ出血多量になってしまうかもしれない。
『いかがいたしますか?ハーデス様?』
ハーデスは悩んだ。
正直、その凄い映像とやらを観てみたいのは確かだ。
だが、もしそれを観て、自分が大変なことになったりしたら・・・・
そんな悩むハーデスに、パンドラはそっと囁いた。
『ハーデス様、なにもご心配することはございません。ハーデス様の御身は、このパンドラめが命に変えましてもお守りいたします』
『・・・・パンドラよ、そちが余を守ると申すか?か弱い女の身でありながら?』
『・・・ハーデス様、私をただの女と見縊っていただいては困ります。こう見えても、現世での貴方様の姉でございます』
『・・・・・それは、そうだが・・・』
『つきましては、なにをご覧になられたいですか?、今あるラインナップは、タナトス×ヒュプノス(リバ可)、ミーノス×アイアコス(リバ可)、ラダマンティス×カノン(リバ可)、・・・等などがございますが?』
『なにい!?タナトスやヒュプノスだけではなく、ミーノスやアイアコスやラダマンティスまでもがあのようなことをしておると申すのか!?』
『はい。彼らだけではございません。この冥界、いや現世、あるいは海界、天界でも、こういうことは日常茶飯事に行われているのです』
『なっ!なんと・・・!、余は神でありながら、今までそのような事にすら気づかずにいたのか、不・・・不覚・・・・!!』
『ハーデス様、ご自分をそのようにお責めになる必要はありません。これからはこのパンドラめが、あなた様の目となり耳となり、逐一そういうことをご報告いたしますゆえ、どうか、お気をお静めください・・・』
『・・・そ、そうか・・・そうであったな・・・余はなにを慌てておったのか・・・』
とりあえずハーデスは落ち着きを取り戻すと、
『そ、そうだな・・・まずは・・・・』
と、ハーデスは観たいビデオを選び始めた。
そして、彼が選んだモノとは・・・・!?
つづく・・・?
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あとがき
なんですか、これは?
いや、以前の小説でハーデス様が男同士のことに興味を抱いているご様子でしたので、
つい、こんなよく分からんものを書いてしまいました。
でも、大分前に書いていた小説なんですけどね。 |
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