双子誕!

サガとカノンの誕生日、2


当のサガとカノンは、自分達の誕生日のことなどすっかり忘れていた。

今日も今日とて、教皇代理として忙しいサガの元へ意外な人物が現れた。

『う・・・なんだこの威厳のある小宇宙は!?・・・・以前にも感じたことのあるような・・・・はっ!あ、あなたは・・・・まさか!?』

その人物に驚愕するサガ、そうそれは・・・・

『久しぶりだな、私を殺した張本人、ジェミニのサガよ』
『あ・・あなたは・・・・シオン教皇!?』

なんと、それはサガ自らがその手にかけた、前教皇シオンだったのだ。

『フッ、なにもそんなに驚くこともなかろう?』
『い、いや・・・しかし!なぜシオン教皇が今更になって、このサガの前へと・・・・?』
『ふ、それは当然、私を殺したお前を呪い殺すため・・・・というのは冗談で、今日1日だけ、また教皇になりたくてな、戻ってきたのだ』
『1日だけ教皇になりに戻ってこられたのですか!?』
『そうだ、悪いか?』
『い、いえ、ですが・・・なんでまた、今日1日なんですか?』
『ふん、それは・・・・今日が特別な日だからに決まっておろう?』
『・・・え?』
『なんだ?やはり忘れておったか?そういえば、昔からお前はそうだったな、職務に没頭するあまり、他のことに気付かぬ、そんなところもあったな』
『・・・・・・』
『今日は、このシオンの命を奪った奴の生誕の記念すべき日であろう?そんな大事な日のことすら忘れておるのだからな』
『・・・っは!?』
『やっと思い出したようだの、ほらそうと分かれば教皇の職務など、このシオンに任せて、お前は早くアテナ神殿へ行くがよい、皆が首を長くしてお前たち双子が来るのを待っておるぞ!』
『・・・シ、シオン教皇・・・・・』
『さあ、なにをぐずぐずしておる?早くゆかぬか!』
『は、はい!・・・ありがとうございます!!教皇!!』

早速サガは、シオンに深く頭を下げると、皆が待ってるアテナ神殿へと向かった。


一方カノンは、海底神殿にいた・・・・
その時、突如テティスが血相変えて飛び込んできた。

『た、大変です、シードラゴン様!冥界から繋がり眉毛の大男が、あなたに会いに、この海底神殿に乗り込んできましたあ!!』
『なにい!?繋がり眉毛・・・ラダマンティスか!?あの野郎、性懲りも無くこんなところまで来やがったか!?あんな奴、海闘士総動員して追い払え!!』
『でも、それが、大きな荷物を抱えて、ぜひこれをシードラゴン様にお渡ししたいと言ってきかないのです』
『荷物?』
『はい、いかがいたしましょうか?』
『うーん・・・・・しょうがねえな、その荷物ってのも気になるし、会ってみるか?』
『お会いになられるのですね?分かりました』

そして、カノンの元にラダマンティスが通された。

『おい、ラダマンティス、俺に渡したいものがあるそうだな?一体なんだよ?』
『ああ、カノンよ。今日はお前の誕生日ではないか!だから誕生日プレゼントを持ってきたのだ』
『なに?誕生日!?・・・そういや、そうだったな!すっかり忘れていたぜ!』
『カノン、誕生日おめでとう!』
『あ、ああ・・・ありがとな』

ラダマンティスが渡してきた大きなプレゼントを、照れくさそうに受け取るカノン。

『それにしても、やけにでかいな。一体なにが入ってるんだ?』

その、等身大もあろうかという、ラダマンティスのプレゼントの中身が非常に気になるカノンだったが、

『ふふ、開けてみるがいい』

ラダマンティスに促され、カノンがプレゼントを開けてみると、中には・・・

『おい!なんだよ、カラじゃねえか!?なんにも入ってねえぞ!?』

そう、プレゼントの中はからっぽだったのだ。
だが、ラダマンティスは自分を指差しこう言った。

『いや、プレゼントは確かにあるぞ、私だ!』

なんと、ラダマンティスのカノンへのプレゼントは、ラダマンティス自身だったのだ。だが・・

『てめえなんざいらねえ!!!!』

カノンにあっさり拒絶されてしまった。

『なぜだ、カノン!?私では不服か!?』
『不服もなにも、なんでお前なんだよ!?』
『それは・・・私がカノンの側にずっといたいか・・・・』
ゴールデン・トライアングル!!!

ラダマンティスの台詞(愛の告白?)を途中で遮るように、いきなり技を放つカノン。
だが、ラダマンティスには効かなかった。

『カノンよ、いきなりなにをする!?』
『うるせえ!なんで効かねえんだよ!?くそ、こうなったら!ギャラクシアン・エクスプロージョン!!!

またもや、ラダマンティスに技をかけるカノンだが、ラダマンティスもさすがにこれには抗えなかったようだ。
そして、星々の砕け散る様をその身で体感して、死にかけのラダマンティス。

『おい!、テティス、こんな奴、そのバカでかい箱に詰めて冥界に返品してこい!!もちろんノシ付けてな!!』

カノンはテティスそう命じた。

『は、分かりました。シードラゴン様』

テティスが両手を、ぱんぱんと叩くと、海闘士たちが現れ、またたくまにラダマンティスを捕らえると、箱に詰めてしまった。
カノンは、それを見て満足そうに頷くと、ふと思い出したかのように呟いた。

『そうだ、今日が俺の誕生日だということは、聖域でも、毎年恒例の黄金聖闘士誕生日会を開いてるはずだ!俺もこうしちゃおれねえ!さっそく聖域に行くぞ!』

と、聖域へと向かった。


そして、ここは聖域・アテナ神殿。
そこでは、アテナと黄金聖闘士たちが、サガとカノンが来るのを今か今かと待っていた。

『遅いですね、2人共、一体なにをしているのかしら?』

アテナが心配そうに呟いた。
その時!

『遅れて申し訳ございませんでした。アテナ!』

サガが急いで来たように、アテナ神殿に飛び込んできた。

『まあ、サガ、そんなに急がなくてもよかったですのに』
『いえ、アテナをお待たせさせる訳にはまいりません!』
『もう、サガは真面目なのですから。あとはカノンが来れば、主役は揃いますね!』
『え?カノンはまだ来ていないのですか?』
『ええ、でももうすぐ来ると思いますよ』

とその時!

『悪りい、遅れちまったな!』

カノンも到着した。

『遅いぞ、カノン!今までなにをしていたのだ?』
『いや、ラダマンティスのやつと色々あってよ・・・それより、今日は俺たちの誕生日会なんだろ?』
『ええ、そうですよ!それで皆で、あなたちが来るのを待っていたのです』

アテナに言われ見ると、確かに大きなテーブルには、黄金聖闘士たちや、なぜか星矢たち青銅聖闘士の4人も座っていた。

『老師・・・アイオロス・・・、それに、星矢たちまで、来てくれたのか!?』

まさに黄金聖闘士が勢揃いしている、今だかつてない光景に、思わず感動するサガ。

『よ!サガ、久しぶりだな!』

アイオロスは、そんなサガの側にいき、肩を叩いた。

『アイオロス・・・お前まで・・・私たちの誕生日を、祝いに来てくれたのか?』
『当たり前だろ!俺とお前は友達じゃないか!』
『・・・・アイオロス・・・あの時は、本当にすまなかったな・・・お前にアテナ誘拐の反逆者の汚名をかけてしまい・・・・』
『いいって、気にするなよ。もう昔のことだ。それより今日は、お前たちの誕生日だろ!もっと楽しくやろうな!』
『そうだぜ、サガ。アイオロスだってこう言ってるんだ。せっかくの俺たちの誕生日なんだからよ、そんな辛気臭い顔すんなよ!』
『カノンの言う通りですよ、サガ。さあ、席に着いて、楽しく過ごしましょうね!』
『・・・はい、アテナ』


こうして、サガもカノンも、みんな席に着き、誕生日会が開かれた。
テーブルには、イタリア料理・中華料理・フランス料理など、まさに豪華フルコースの食事が運ばれてきた。
『これはみんな、俺たちが作ったんだぜ!』
とデスマスクは得意そうにサガに言った。
『そうか、それはありがたいな』
サガがあんまり素直に頷くものだから、デスマスクもつい拍子抜けした。
『サガのやつ、やけに素直だな、どうしたんだ?』
シュラがそれに答えた。
『なに、あのサガも、今日ばかりは素直に感動しているんだろ?なにせ、黄金聖闘士勢揃いだからな』


こうして、皆それぞれ好きに座り、宴が始まった。


アイオロスは、サガとシュラとアイオリアに囲まれて、困っていた。
『アイオロス・・・やはり私を恨んでいるのだろう・・・?正直に言ってくれ!』
『・・・アイオロスよ・・・あなたを半殺しの目に遭わせて・・・・すまなかった!許してくれ!』
とサガとシュラはしきりに彼に謝りまくりだし。
『兄さん・・・・会いたかった!』
アイオリアも、兄に会えたのが嬉しいのか、彼の側を離れようとしない。
『おいおい、お前たち・・・・』
アイオロスも、絡んでくる3人に、ほとほと困り果てていた。

ムーとシャカとアフロディーテは、マイペースに優雅にティータイムを過ごしているし、
ミロは氷河と、カミュ争奪戦を繰り広げているし、
デスマスクとカノンは、星矢と瞬相手に、しきりに絡んでくるし、
アルデバランと老師と紫龍は、まったり茶を飲み交わしているし、


まるっきり、サガとカノンの誕生会というよりは、ただの宴会の様相を呈していた。
これではいけないと、アテナは皆に言った。
『皆さん、今日はサガとカノンの誕生日なのですよ!2人にプレゼントをしようではありませんか!』
と、ミロとカミュ、ムーとシャカに目配せをした。
それまで、優雅に茶を啜っていたムーとシャカも、ミロとカミュも、ようやく思い出したかのように立ち上がって、サガとカノンの前へとプレゼントを運んできた。

『サガとカノンよ、誕生日おめでとう!君たちにはこれを』
と、カミュとミロは、宝石店で買ってきた、お揃いの双子座のリングをプレゼントした。
『ありがとう』
『わりいな!』
サガとカノンは照れくさそうにしながらも、カミュとミロのプレゼントを受け取った。

ムウは、カノンに真珠のネックレスをプレゼントした。
『双子座の誕生石は真珠と聞きましたからね、それにあなたは元・海将軍のシードラゴン。まさに海繋がりでぴったりだと思ったのですよ、ふふふ』
『ああ・・・すまねえな、ムウ・・・・』
海闘士の頃のことを言われ、これは皮肉か嫌がらせか?と思いながらも、ムウのプレゼントを大人しく受け取るカノン。

『サガ、あなたには、これを・・・』
と、シャカがサガに差し出したのは、お風呂セットだった。
『サガは風呂好きだからな、これで心置きなくたっぷりと入浴するがよい』
『あ、ああ、ありがとう、シャカ・・・』
サガは苦笑しながらも、シャカのプレゼントを受け取った。

そして無事?プレゼントも渡し終わると、みんなが拍手した。
『サガ、カノン、お誕生日おめでとうございます!これからも、私・アテナを、そして聖域を宜しくお願いしますね!』
「「は、お任せください、アテナ!」」
サガとカノンがアテナに応えた。
『うふふ、頼もしいですわ!』
アテナも満足そうに頷いた。

『それでは皆さん、今日は彼らの誕生日を祝いまして、今夜は無礼講です!思う存分楽しみましょう!』

こうしてサガとカノンの誕生日は、無事何事もなく続いたという。


あとがき

かなり遅れてしまいましたが、双子誕の続きです。
サガとカノン、お誕生日おめでとう!
来年の双子誕も、よろしくお願いしますね!

聖闘士星矢のお部屋
(管理人・銀月れみあ)
(主に、黄金聖闘士・神闘士中心に、壊れたエロギャグ小説など書いています)
 
 
ミロとアイオリア


ミロは今日もカミュの生写真を眺めては、悦に浸っていた。
『ああ、カミュって美人だよなあ!』
すると、アイオリアも同意してきた。
『確かに、クール系美人だよな、カミュって!』
『そうそう、まさにそれ!でよ、学校の女教師とか、社長秘書とかが似合いそうだよな!!』
『ああ、確かにカミュには教師役が似合いそうだな。なにせ弟子も2人いるしな』
『・・・女教師・カミュかあ・・・今夜、久しぶりにカミュに迫ってみようかな?』
『お、それいいんじゃないか?でもミロはいいよな。俺なんか、シャカに迫ったら、それこそ五感剥奪か殺されるかのどっちかだしよ、それにライバルも多い。特にあの麻呂眉とか・・・・』
『あいつか・・・確かにあいつは厄介だな。あんな優しい顔して、実は黄金聖闘士1の腹黒だからな』
『ああ、だがそれ以上に厄介なのもいる!2つの顔を持つ男・サガだ!!』
『サガか!さすがにヤバイな、あいつは。特に黒い方は始末に負えない!』
『ああ!黒サガは誰とでもヤリたがるからな!!あの汚れのない清らかなシャカが、いつ黒サガの毒牙にかかるか心配で俺は夜も眠れん!!』
『だったらよ、お前がシャカのボディガードとして、あいつを見守ってやればいいんじゃねえか?』
『それは俺も思うのだが、でもシャカは俺よりも強いし、正直守ってやるどころか、逆に守られそうというか、なんというか・・・』
『おいおい、どうした?百獣の王、獅子座のアイオリアがえらく弱気じゃないか?』
『まあな・・・だが、シャカが俺より強いことは事実だ。情けないことだが・・・』
『ふ、まさか獅子より乙女の方が強いとはな。まるでストレングスみてえだな』
『なんだ、その、すとれんぐすとは?』
『知らないのか?タロットカードにあるんだよ、そういうカードが。俺もカミュに教えてもらうまで知らなかったけどよ、お前とシャカの関係を例えるとすると、まるでそのカードみたいだってカミュは言うんだ。』
『ほう、で、そのカードってどんな意味があるんだ?』
『ああ、それが・・・獅子の口に手を入れてる乙女のカードでさ、今にも獅子の口を引き裂こうとしてるらしいんだ・・・意味はそのものズバリ、力だ』
『おい、それって・・・ぞっとする絵だな』
『そうだな、ちなみにカミュはテンパランスだってさ』
『てんぱらんす?』
『ああ、永遠に枯れない水瓶の絵で、意味は節制だってよ』
『へえ、タロットカードとは面白いな。他にはなにかないのか?』
『ん、他にも色々あるぞ!今度カミュに教えてもらおうぜ』
『そうだな!』


あとがき

聖域熱血単純馬鹿コンビのミロとアイオリアですが、この2人、好きですv
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カミュ氷河


ここはシベリア。
そこでは、カミュが弟子2人に指導をしていた。
『絶対零度とはなんだ?・・・・答えろ、氷河!』
『ぜ、絶対零度とは・・・・・?』
返答に困る氷河の隣で、アイザックがそっと耳打ちした。
『氷河・・・全てのものが凍り付く温度のことだ・・・・』
『そうか! 全てのものが凍り付く温度のことです!』
『その通りだ!よく分かったな、氷河』
カミュに褒められて、氷河は嬉しかった。
『答えられた褒美に、なにかやろう。なにが欲しいんだ?』
そうカミュに言われて、
氷河はカミュの耳元で、そっと囁いた。
『・・・・そんなものでいいのか?』
『はい。それが俺の、今一番欲しいものです』
『・・・・・分かった。こんなもので良ければ、お前にくれてやろう』
『本当ですか、我が師カミュ』
『ああ。楽しみにしていろ』

そして、その夜・・・
『アイザック、昼間は教えてくれて、ありがとう』
『気にするな、それより明日も早い。早く寝ろ』
『うん、そうだな。おやすみアイザック・・・』

深夜・・・
アイザックは妙な声で目を覚ました。
『・・あ・・カミュ・・・・そんなとこ、ダメ・・・・』
『・・・ならば、ここはどうだ、氷河?』
『あ・・・そこも、ダメです・・・・』
『・・・?』
見ると、隣のベットで寝ているはずの氷河がいない。
眠い目を擦りつつ、アイザックは声のする方へと行ってみた。
声は、なぜかカミュの部屋から聞こえてくるようだ。
そっと扉の隙間から部屋の中を覗いて見ると、なんと!?
黒髯危機一髪をしているカミュと氷河の姿が!!
てっきり、イケナイことでもしてるのかと思っていたアイザックは、思わず拍子抜けした。
『アイザック?お前も仲間に入りたいのか?』
アイザックに気付いたカミュが声をかけてきた。
『え、いや・・・』
正直、変なことを期待していただけに、アイザックはどう答えていいのか分からなかった。
『なんだ、アイザック。お前も起きてきてしまったのか?せっかくカミュと2人っきりで黒髯危機一髪をやっていたのに・・・・』
なぜか氷河が残念そうに呟いた。
どうやら、氷河がカミュに貰った褒美は、これだったらしい。
カミュと二人っきりで黒髯危機一髪をしたかったのだ。
まだまだお子ちゃまな氷河だった。


あとがき

なんですか、これは?
いや、カミュと弟子の絡みが書きたかったのですが、なんか短くてごめんなさい。
ダイヤモンドダストー!!
 
アテナ・沙織の聖域イケメン12人斬り!

教皇の間・サガの場合


『ヒマねえ・・・』
ある日の聖域、アテナ・沙織はアテナ神殿の玉座でダベっていた。
『なにか面白いことはないのかしら・・・?』
ここは聖域。
いくら美形が多いとはいえ、あたりには男しかいない、実にむさ苦しい場所である。
『はぁ〜、こんなところに、美少女1人・・・、考えてみたら、かなり危険極まりないことじゃない!?』
男だらけの聖域に、女性のアテナが1人。
確かに普通は危険かもしれない。
だが、果たしてアテナに手を出そうなどと不埒なことを考える者が、黄金聖闘士の中にいるだろうか?
答えはNO!
元々聖域にはホモばかりだし、こんな乳臭い小娘アテナに手を出す男などいないだろう。
『・・・ちょっと!ナレーション!今、ナニか言いまして??』
いえ・・・なんでもありません・・・・
『もう!聖域にホモしかいないことは認めるけど、誰が小娘よ!まったく!失礼ねえ』
いや、現に小娘な訳だし・・・・
『ああ、もう!!うっさいわね!!ナレーション、あんたは少しお黙りなさい!!』

「こうなったら、ここからは、私・アテナがナレーションするわよ!」
「いい?分かったわね!?」

え!そんなの困りますよ!!

「うるさいわね!あなたは女神であるこのアテナの命令が聞けないと、そう言うの?」

いいえ!滅相もございません!!

「なら、言うコトを聞きなさい」

・・・はい

「分かればいいのよ」

・・・・・ちっ!ナレーションの仕事を、キャラに奪われてしまった・・・さすがはアテナ!!実に恐ろしい女神だ!

「・・・ちょっとお、ナレーション、まだいたの?あなたの役目はもう終わったの!わかったらさっさと消えなさい!」

そんな!ヒドイ!!

「早く消えないと、私自ら消滅させてあげるわよ!!」

ひい、ごめんなさい!今、消えますから!!

シュン!

「ふう、やっとうるさい奴はいなくなったわね!じゃ、これからは私・アテナがナレーションというか1人称でお送りするわよ!いいわね!」

まずは・・・アテナ神殿から近い教皇の間へ行ってみましょうか?
ここにはサガが教皇の執務をしているのよね。
それにしても、彼って真面目よね、毎日こんな狭い部屋に閉じこもって、書類とにらめっこだなんて、私だったら退屈で死にそうよ。
さてと・・・コンコン、サガ、いますか?
・・・・あれ?、返事がないわ。おかしいわね。もしかしていないのかしら?
よーし、勝手に部屋に入っちゃえ!
・・・でも、室内にもサガはいないようね。
本当に彼ったら、教皇の職務ほったらかしてドコ行っちゃったの?
しかも、執務机の椅子の背に、教皇ローブを置きっぱなしじゃない!
確かあのローブの下って、マッパなのよね・・・?
まさか、いくらなんでも、全裸でお出かけとか?
ストリーキングとかしてたらどうしましょう!

バシャア!

あら?なにか水音がするわね?
あの扉からだわ、確かあそこってお風呂場なのよね・・・・ちょっと覗いてみましょうか?
ドキドキ・・・・

ううーん、残念!湯気に隠れてよく見えないけど・・・あの海のように蒼い癖毛は間違いなくサガだわ!
もう、サガったら、教皇の職務サボってお風呂に入っていたなんて、職務怠慢ね!
これは、アテナとしてお仕置きしてあげなくちゃv
さーて、どうしてあげましょうか?、うふふー♪

突然ですが、ここからは私・ナレーションでお送りいたします。
・・・・やはり、アテナ1人では荷が重すぎたようですね・・・・(笑)←後で確実にアテナに消滅させられること確定。

さて、その時、サガは・・・
『ふう・・・やはり、職務の合間に入る風呂は最高だな。このまま風呂に浸かりながら職務ができるのならば、これ以上のことはないが、それでは書類が湿気でシナシナになってしまうし・・・ふーむ、困ったものだ』
「・・・・ん?、なんだか、あそこに人影らしきものが・・・・?」
「まさかな、今ここには私しかいないはず、でなければ・・・侵入者か!?」

「いいえ、違います!覗きですわ!」

「あッ、ア、アテナ!?なぜこのような所にいらっしゃるのですかあ!?」

「うふふ・・・別にいいじゃありませんか、・・・あら!なかなか立派なモノをお持ちですわねvv」

「はっ!?こ、こんなもの見てはなりません!!」

咄嗟に股間をタオルで隠すサガ。

「もう、サガまで私を子供扱いして・・・もう私は立派な大人の女なのですから、それくらい見たところでナンともありませんわ!」

「いいえ!いけません!まだあなたは13歳でしょう!それに女神ともあろうお方に、このような下品極まりないモノをお見せする訳には・・・お目汚しも甚だしいです!」

「うふ、そんなこと言って、私を見て思わず反応してしまったのではないのですか?、もうサガもやはり男性なのですね?」

「なっ!そ、そんなことある訳ないでしょう!!」

「あらあ、だったらそうなっていない証拠として、見せてくれてもいいじゃありませんか?」

そして、アテナはサガの入ってるお風呂にいきなり服のまま、侵入してきた。

「あ、アテナ!いけません!!お召し物のまま、ご入浴だなんて!・・・というかそれ以前の問題で・・・・!?」

アテナは、サガの膝の上にいきなり乗ってきた。

「はう!?」

「まvサガったら、やはり反応してしまっていますの?もう、仕方ないわねv」

「い、いけません!アテナ!お止めください!!・・・・あんv(置き鮎ボイスでv)」


こうしてアテナはサガを・・・・?


おほほ!まずは1人目、サガをいただきちゃいましたわvv
うーんvやっぱりサガはイイカラダしてましたわv


さあて、この調子でどんどん行くわよ!
次は・・・双魚宮、アフロディーテね☆



あとがき

ヒルダに引き続き、アテナの聖域12人斬りも始まってしまいました!
・・・女の子攻め、万歳!!
あら、もうお帰りになるの?
 

美青年戦士 セーラー・ジーク!


バドは、その夜、なぜか寝付けず、森の中を彷徨っていた。
と、その時、突如、月をバックに1つの人影が現れた!
それは、

『深夜に森を徘徊する変質者め!!この私・セーラージークが、月に代わって、お・し・お・き・よっ!』

そこには、超ミニのセーラー服のような衣装を着込こみ、片手は腰に当て、もう片方の手は、なぜか警官か軍隊のような敬礼ポーズのジークフリートの姿が!
『誰が変質者だ!?っていうかジーク!?お前、ナニやってんだよ!?』
『見れば分かるだろう?、アスガルド版セーラームー○だ!』
『お前・・・そんな格好して恥かしくないのかよ!?』
『勿論恥かしいわ!!、だが、ヒルダ様のご命令とあらば、従うしかなかろう!?』

(また、ヒルダ様の病気が始まったのか・・・・?)
バドはうんざり思いながらも、ジークフリートの格好を改めて観察して見た。。
ジークフリートは、自慢のウェーブヘアーを頭の左右でお団子型に結って、それがウサギの耳に見えなくもなかったが、なんだかロップイヤーのようだ。
それに、女子高生が着るセーラー服によく似た衣装を身につけている。しかも超ミニスカートで太ももも露わになって、惜しげもなく生足を披露している。
別に男の生足など見たくはないが、否が応でも気になってしまうのも確かだった。
『・・一体なんで、セーラー○ーンの格好なんか・・・・?』
『それが、なんでもヒルダ様は、聖域のアテナから日本のアニメのビデオというものをお借りして、それをご覧になって、影響を受けられたようだ』
『それで、お前にそんな変な格好を強要されておられるのか・・・・、まったく、ヒルダ様にも困ったものだな・・・・』
『ああ、だが、私だけではないぞ!なんでもセーラー戦士は全部で9人いるらしく、当然我らも9人必要になる訳だ』
『お前の他にもいるのかよ!?』
『ああ、勿論さ!セーラーマーキュリーと、セーラービーナスもいるぞ!』
『なにい!?』
ジークフリートに指摘され、バドがそちらを振り向けば、そこにはなんと!?

ジークフリートと似たようなセーラー服型の衣装を纏い、腰に手を当て、ビシッとポーズを決めている、アルベリッヒとミーメの姿が!!
『お前らまでそんな格好していやがったのか!?』
ジークフリートのみならず、アルベリッヒやミーメまで、セーラーム○ンの格好をしていることに驚愕するバド。
マーキュリー、つまり水星は、知性を司るから、アスガルド一の頭脳を誇るアルベリッヒが、
ビーナス、つまり金星は、美を司るので、神闘士一美形なミーメが、それぞれの役を担っているようだ。
『今の所の配役は、この3人は決まっているのだが、あとの6人がなかなか決まらんのだ・・・・・バド、お前はやはり攻撃的なマーズがいいのか?』
『俺まで巻き添えにすんじゃねえよ!!誰が好き好んでこんな恥かしい格好などしたがるか!?』
『だが、これはヒルダ様のご命令だ!お前に拒否権はないぞ!!』
『うっ!?』
『さあ、どうするのだ、バドよ?お前はなにになりたいのだ?やはり攻撃的なマーズか?それとも行動的なジュピターか?』
『・・・・うっ・・・・どれも嫌だ!!』
『拒否はできないと言っただろう?さあ、観念して、どれか一つを選ぶがいい!』

そして結局、バドは・・・・
『・・・なんで俺まで、こんな格好しなきゃなんねんだ・・・・・!』
『ほら、兄さん、いくらセーラーウラヌスがクールで男っぽいからといっても、そんな汚い男言葉は話さないそうですよ』
バドはセーラーウラヌスに、そしてシドは、常に彼の側に寄り添うようなセーラーネプチューンになっていた。
この2人は、いつもつるんで一緒にいるので、彼ら2人にぴったりだろうということで落ち着いたらしい。
そして勿論、彼らの衣装も、超ミニのセーラー服型衣装である。
太モモもバッチリ晒している。

『なあ、シド、お前はこんな格好してて、恥かしくないのか?』
『そんなの、勿論恥かしいですよ!でも、兄さんとこうしてお揃いになれるから、嬉しいですv』
『・・・・・・・・』
まさに本物のセーラーネプチューンのように、ウラヌス・バドに寄り添うシド。

ちなみに、セーラーマーズには好戦的なハーゲンが、馬鹿力なセーラージュピターにはトールが、幼いセーラーサターンにはフェンリルが、そしてセーラープルートは空席と決まった。

かくして、ヒルダの思いつきで突如始まった美少女アニメごっこという馬鹿げた配役が、こうして無事決まったといふ・・・・


あとがき

セーラームーンです。
実はこのアニメ、キャラくらいしか知らなかったりします。でも可愛いですよね!
む〜んぷりずむぱわ〜・めいくあ〜っぷ!!
 

BAD LOVE!

ここは、バド&ジークフリートの部屋。

ジークフリートは、シャワーを浴びながら、考えていた。
そろそろ、彼との間に、明るい家族計画を立てる必要があると。
そして、風呂上り、
ベットに寝転がって、本を読んでいる彼に、ジークフリートは切り出した。
『バド・・・・』
『・・・なんだ?』
突如、風呂上りの水の滴るジークフリートに声を掛けられ、バドは読んでいた漫画本から、顔を上げて彼を見た。
ジークフリートは、そのバドを真っ直ぐ真剣に見つめ、そしてこう言った。
『突然だが・・・お前と私との、2人の子供が欲しい!!』
『・・・・はあ!?』
いきなりのジークフリートの子作り宣言に、さすがに素っ頓狂な声をあげるバド。
そのバドのいるベットに近づき、腰を下ろすと、彼の読んでいた漫画本を覗き込み、ジークフリートは言った。
『バド・・・ついムラムラしたからといってそんなエロ本など読まずに、ヤリたいのなら、私がいるではないか?』
『これはエロ本じゃねえ!!というか、ムラムラなんかしてねえよ!!!』
『フッ、そんな強がりを言っても、体は素直なものだぞ、私とヤリたくて仕方ないのだろう?』
『お前なあ!・・・いきなりナニ言ってんだよ!?おかしいぞ!』
『私は正常だ。愛するお前との間に子供が欲しくなるのは、当然のことだろう?』
『俺はお前なんか愛してねえ!!!というか、それ以前に、俺は子供なんか産めねえよ!!!』
『なに、愛があれば、なんとかなるさ!』
『なる訳ねえだろ!!!!』
頑なに拒否するバドに、ジークフリートもついに強攻手段に出た。
『フッ、なあに、試してみれば分かるさ!』
ガバッ!!
『うわっ!?よせ!!やめろ!!!・・・あんv』
バドはジークフリートに押し倒されてしまった。

そして・・・

こうして、ジークフリートとバドの間に、元気なかわいい男の子・シドが無事生まれましたv
『ふむ、私似のかわいい子だな』
『いや、どう見ても俺にそっくりなんだけどな』
バドそっくりのシドを覗き込み、2人はなにやら話し合っていると、
そこに突然ヒルダが現れた。

『まあ、かわいいお子さんですね!・・・で、どちらが、お母さんなのですか・・・・?』
ジークフリートとバドを交互に見ながら、疑問を口にするヒルダに、ジークフリートはきっぱり答えた。
『フッ、そんなの、我が愛する妻・バドに決まっているでしょう!』
『なっ!?俺は産んでねえ!!!ってか、妻ってなんだよ!?妻って!!』
『ま、バドがお母さんだったのですね』
『ヒルダ様まで、ナニをおっしゃいますか!?』
『どうりで、お母さんのバドにそっくりなはずですわねv』
『そうでしょう、私も、妻似のこんなかわいい娘が生まれたことを、嬉しく思いますよ』
『こら!ジーク!シドは娘じゃなくて、息子だろう!?』
『そうですね、ジークフリートはこんな綺麗な奥さんと、かわいい娘さんをもうけられて、本当に幸せ者ですわね!』
『ええ、幸せいっぱいです!!』
『・・・こいつら・・・・・!』
バドのツッコミにも怯まない、ジークフリートとヒルダの会話に、バドももうなにも言う気にならなくなった。
それから、

『バド、そろそろ、2人目も作らないか?』
またしてもジークフリートがバドに迫ってきた。
『冗談じゃねえ!?俺はもうお前に抱かれるなんざ、まっぴらごめんなんだよ!!』
『そう言うな、大丈夫。優しくしてやる』
『そういう問題じゃねえ!!!』
ガバッ!!
『うわあああ!!!やめろ!!お前どこ触ってるんだよ!?・・・あんっv』
バドは、抵抗虚しく、またしてもジークフリートに押し倒されてしまった。


バッ!!
『ハアハアハア・・・!!』
バドはベットから跳ね起きていた。
体中もの凄い冷や汗をかいている。
動悸も呼吸も激しく乱れていた。
『・・・なんだ・・・夢か?・・・それにしても・・・とんでもない夢を見たもんだ・・・・』
どうやら、先ほどの悪夢は夢だったようだ。
額の汗を拭いながら、バドはホッと一安心していたが、ふと、隣に誰かいるのに気付いてそちらを見てみると・・・
『フッ、どうした、バド?怖い夢でも見たのか?』
なんとジークフリートがいた。
『な!?なんでお前が俺のベットに寝ているんだよ!?』
『なぜって、夫婦は一緒に寝るものだろう?』
『誰が夫婦だ!?って、さっきのは夢じゃなかったのかよ!?』
『夢?ふっ、なにを言っている?私とお前はこうして結ばれた。もはや夢ではない!』
『む、結ばれたって・・・・俺はお前とヤッた覚えなんざねえぞ!?』
『忘れたのか、バドよ?昨夜はあんなに激しく愛し合い、求め合い、乱れあい、喘ぎまくっていたではないか?』
『そんなん記憶にねえーーー!!!!』
『そうか・・・お前は、することだけしてスッキリしたら、もうその態度か?見損なったぞ!バド!!』
『なんだよ!?そりゃあ!?』
『お前がそういう奴だとは知らなかったぞ!だが安心しろ、そんなお前でも、私のこの愛は変わらない!一生お前を愛してやる!!』
『お前に一生愛されてたまるかぁ!!!』
と、バドがベットから逃げ出そうとしたその時、
ガシッ!
いきなり腕を掴まれた。が、ジークフリートではない。
では誰なのか?
それは・・・
『兄さん!』
なんと、シドだった。
『シド!?お前まで俺のベットに潜り込んでいたのか!?』
と、いうことは・・・俺はジークとシドと3人で、つまりは3ぴ・・・!?
うわああ!?そんな訳ねえ!!!
頭の中に浮かんだ如何わしい妄想を追い払うバドだったが、現にこうしてジークフリートとシドと3人で寝ていたことは確からしい。
『昨夜の兄さんは・・・・とても素敵でしたv』
と、ポッと頬を染めるシド。
さ、昨夜って・・・俺はシドに一体ナニをしたんだ!?
いや、それ以前に、なぜ俺たち3人一緒に同じベットに寝ていたんだ!?
謎はイロイロあるが、今はそんなことを考えてる場合じゃない。
と、いきなり後ろから羽交い絞めされて、バドは驚いた。
ジークフリートだ。
『なっ!?ジーク、いきなりナニしやがる!?』
バドが抗議の声を上げても、ジークフリートはただ無言で、バドの体をまさぐってくる。
さらに吐息を耳にかけてきたり、かなり息が荒いようだが。
すると前からはシドが迫ってきた。
『シ・・・シド!?・・・・んっ!?』
そのまま、ジークフリートに捕獲され動けないバドに、シドはキスして、舌まで絡ませてくるほど、激しくバドのくちびるを吸う
後ろからはジークフリートに抑え付けられ、前からはシドが迫ってくる。
バド、絶体絶命の大ピンチだ!!
抵抗しようにも、なぜか体に力が入らない。
そのまま、ジークフリートとシドにされるがままになっている、バド。
(・・・俺・・・このまま、こいつらに3Pされちまうのか・・・・・?)
バドは絶望しながらも、そんなことを考えていた。
と、その時!
突如、聞きなれた竪琴の音色が聴こえてきた。
(こ、これは・・・・・?)
『フッ、君たち、私のバドに一体ナニをしているのかな?』
ミーメだ。
(ミーメ!?助けに来てくれたのか!?)
思わぬ助っ人に歓喜するバド。
だが、次のミーメの言葉で、バドはあえなく撃沈された。
『・・・私も、君たちの仲間に入れてくれないか?』
(がーーーーん!!!!)
どうやらミーメも、ジークフリートとシドと同類だったらしい。
ま、分かっていたことだが。
それでも、一瞬でもミーメに期待してしまった自分が許せないバドだった。
(くそっ!これじゃ、ミーメも混じっての4Pになっちまう!!なんとかしてこの場を切り抜けなければ!!だが、力が出ねえ・・・・)
逃げようにも、なぜか体に力が入らないのだ。
その間にも、背後からはジークフリートがバドの首筋にキスしたり、胸をまさぐってきたり
シドとは依然くちびるを奪われて、ディープキスの域まで達している。
そしてミーメは、なぜか3Pされてるバドを、ただ静かに見下ろしているだけだ。
もしかしたら、視姦しているのかもしれないが。
ジークフリートが、バドの下半身に手を伸ばそうとしてきたが、すかさず手で隠して、ソコを死守するバド。
下半身だけは!ソコだけはなんとか守らねば!!
バドは必死だった。
ジークフリートに触られ、シドにキスされ、かなり感じてヤバイ状態のバドだったが、これ以上進ませる訳にはいかない!
その時!
今まで観戦していただけのミーメが、ついに動いた。
いよいよ大御所の登場だ。
『・・・ふん、君たちは甘いんだよ!バドを本気で犯るつもりなら、もっとテクニックを活かさなきゃ!』
そして、ミーメはおもむろに竪琴を取り出すと、なにやら弾き始めた。
(・・・ん?なんだ、この音色は・・・・?)
それは初めて聴く旋律。
とても妖しく、美しく、神秘的で、かつ濃厚な、不思議な音色だった。
その旋律を聴いているだけで、なぜか体が熱くなる。
下半身の辺りが、妙にウズウズする。
(・・・はっ!?もしかして、これは・・・・・!?)
バドは気付いた。
どうやらこの曲は、媚薬のような効果を持っているらしいということに。
欲情促進曲のようだ。
いよいよもって、抗えなくなってきた、バド。
バド、こんどこそ絶体絶命の大ピンチだ!

どうする!?バド!


あとがき

ジーク→バド風味のバド総受けです!バド受けは楽しいですねえ♪
バド程のイイ男、誰も放っておきませんものね!
戻る
 

アスガルド学園恋愛事情


(フレア×ハーゲンの場合)

ここは、学園のアイドル・フレア先生の教室。
ヒルダ校長の妹でもあるフレア先生の受け持つ科目は、音楽と家庭科。
そして保健の先生でもあるのだ。
そんな先生なのに、生徒並に可愛らしい童顔のフレア先生は、男子生徒の憧れの的だった。
そしてここに熱狂的なファンがいた。
ハーゲンである。
なにしろ彼は、フレア先生に憧れて、この学園に入学したほどなのだ。
授業そっちのけで、フレア先生のことばかり考えている、ちょっと危ないお年頃の青年である。
『あぁ・・・・フレア先生って、本当に可愛いよな・・・・』
今日もハーゲンはうっとりフレア先生を眺めて、1人悦に入っていた。
そんなハーゲンを、隣の席のフェンリルは不思議そうに眺めていた。
確かにフレア先生は可愛いと思う。が、フェンリルにとってはただそれだけだった。
彼にとって一番可愛い存在は、ペットのギングだし、大好きな授業?の時間はお昼の時間だからだ。
まだ女性には興味がない、色気より食い気のフェンリルだった。

そして放課後、帰ろうとしていたハーゲンに、フレア先生が突然声を掛けてきた。
『ちょっと待って、ハーゲン』
『フ、フレア先生?・・・なにか?』
大好きなフレア先生に声をかけられて、思わずドキドキするハーゲン。
そんなハーゲンに、フレア先生はあるものを差し出した。
それは・・・小さな包みだった。
『実は、あなたにこれを受け取ってもらいたくて・・・』
と、なぜか頬を染めるフレア先生。
ハーゲンはどきどきしながらも、その包みを受け取った。
『あ、ありがとうございます!、フレア先生!・・・・でも、これは?』

包みを受け取り、疑問符を浮かべるハーゲンに、フレア先生はにっこりこう言った。
『うふふ、今日はあなたの誕生日でしょ?』
『え、まさか!?フレア先生が俺に誕生日プレゼントを!?』
『ふふ・・・それはどうかしら?』
ハーゲンは、どきどきしながら、その包みをあけてみた。
すると、中に入っていたのは・・・
まるでお菓子の箱のようなカラフルなタバコくらいの小さい箱だった。
なにが入っているかと期待していたハーゲンだが、
『先生、これは?』
『さあ、なにかしら?開けてみてごらんなさい』
フレア先生に言われるまま、その小箱を開けてみると・・・・
途端、ハーゲンは真っ赤になった。
なんとそれは、コンドー○だったのだ!
『せせせ、先生!!!こ、これは、一体!?』
『うふふ、今夜、先生とイイコトしない?』
『そ、そんな、いけませんよ!先生と生徒がそんなコト!』
『そんな固いこと言わないのv』
フレア先生は、真っ赤になるハーゲンの口に人差し指を押し当てた。
『ね?先生がリードしてあげるから大丈夫よ』
『そそそ、そういう問題ではないでしょう!?』
真面目なハーゲンは、大胆すぎるフレア先生にドギマギしっぱなしだ。
『ねっ、後で保健室へ来てちょうだい。いいわね?』
こう念を押されては、断れない。

どーする?ハーゲン!?


あとがき

学園モノで、フレア×ハーゲンです。
ウチの女の子は大胆ですねえ^^;
戻るのかしら?
 

ヒルダとフレア


これは、ある日のヒルダとフレアの会話である。

『ねえ、お姉様は神闘士の中で誰が一番好きなの?』
『うふふ・・さあ、誰かしら?当ててみてごらんなさい』
『そうねえ、やっぱり、ジークフリートでしょう?』
『ぶー!あんなクソ真面目な男、つまりませんわ!』
『えっ、違うの?じゃあ・・・アルベリッヒ?』
『あんなチビも、お断りですわ!』
『そ、そうなの?・・・・じゃあ・・・・シドかしら?』
『うーん、結構いい線いってますけれど、彼も違いますわ、なんといってもブラコンのホモですし』
(・・・それを言ったら、神闘士は全員ホモなんじゃ・・・?)
と、フレアは心の中でこっそり思った。
『じゃあ、シドがいい線いってるなら、バドね?』
『いいえ、彼もホモじゃありませんか、双子揃ってホモですわ!』
『そ・・・そう・・・・じゃ・・・トール?』
『でかすぎます!』
(・・・なにが??)
疑問符が一瞬浮かんだが、深くは追求しない方がいいと本能が告げていたので、聞かないことにしたフレア。
『うーん、じゃ、フェンリルかしら?』
『狼少年なんかお呼びじゃありませんの!』
『じゃ、じゃあ、ミーメ?ね、そうでしょ、お姉様?』
『わたくしはマトモな精神の持ち主がよいのです!』
『そっ、そんな!じゃ、あと残るのは・・・・・彼しかいないじゃないの!?』
『ええ、そうですよ、わたくしが一番好きな人、その名はハー・・・』
『ダメ!!絶対彼はダメ!!!!!』
『あら、どうして?、彼はフレアの物だとでもいうのかしら?』
『そうよお!!彼は私の物なの!!だからお姉様には絶対渡せないのよ!!!』
『いいえ!絶対奪ってみせますわ!妹の物は姉の物、姉の物も姉の物なのですから』
『そんなの横暴よ!!なんでよりによって彼なのよ!?』
『あら、だって・・・・うふふ・・・』
ヒルダの微笑に、フレアはなにか嫌なものを感じた。
『ま、まさか・・・!?』
『だって彼は、神闘士の中で、ただ1人、穢れのない綺麗な体をしていますものv』
『やっぱりーーーーー!!!!』
それは見事的中した。
『うふふ・・・やはり童貞は穢しがいがありますわ!』
『ダメよ!ダメよ!!絶対ダメーーー!!!!』
『もう、フレアはうるさいですわね、別にいいじゃありませんか、なくなる訳じゃなし』
『なくなるのよ!!彼のチェリーが!!』
『うふふふ・・・そうねえ、彼のチェリーはさぞ美味しそうですわ!食べ甲斐がありますわ!』
『いやーーー!!!やめて!!!聞きたくない!!!』
『お口の中で、蝶々結びしたりなんかしてv』
『いやん、お姉様ったら、なんて巧い舌使いなのv・・・じゃなくて!!そんな、彼のモノをお口に含むだなんて、そんなあ!!!』
『まあ、まあ、フレア、少し落ち着きなさいな、自分がナニを言っているのか分かっていますの?』
『うっうっ・・・だって、だって・・・!!』
フレアは思わず涙ぐんでいた。
『おほほほ・・・ちょーとフレアをからかってみただけですわ、ご安心なさいな、彼のモノをお口になんかいたしませんわよ』
『え、本当?、本当に・・・?』
『ええ、その代わり・・・下のお口に入れてしまうかも・・・・?』
『いやあああああああ!!!!』
思わず耳を両手で塞いで、姉の言葉を拒絶するフレア。
『オホホホ・・・本当にフレアは可愛いんですからv』
そんなフレアを見て、ヒルダは妹がかわいくて仕方のない様子だったという。


あとがき

アスガルドの魔女姉妹・ヒルダとフレアの壊れ会話シリーズその1
ヒルダがかなり壊れています。
そして私も・・・
お戻りですの?うふふ・・・
 

ダークストーカーズ

ダークストーカーズ

喉が渇く・・・
血が飲みたい・・・・
それも極上のワインのような真っ赤な血が・・・・
あの、首筋に噛み付き、血を啜る時の快感がたまらない!
吸血鬼(ヴァンパイア)・シドは、喉の渇きを覚え、堪らなくなり、寝ていた棺おけの中から起き上がった。
ここは薄暗い地下室のような部屋の中。
そこから天窓を見上げてみると、もう日も沈みかけていた。
もうすぐ狩りの時間が始まる・・・・


その夜、バドは月を見上げ、1人ソワソワしていた。
今夜はやけに血が騒ぐ。
それもそのはず、今宵の月は満月だ。
バドは満月を見ると、体中の血が沸騰するような、妙な高揚感と興奮に襲われ、その体は見る見る変貌していくのだ。
体からは獣のような漆黒の毛が全身を包み、その爪は鋭く長く伸び、白い牙も剥き出し、耳も尖り、眼も黄金色に輝き、フサフサの尻尾まで生えてしまうのだ。
そう、バドは満月を見ると狼に変貌してしまう、狼男(ライカンスロープ)だったのだ!


ミーメは、今夜も極上の獲物を求めて、夜の街を徘徊していた。
彼が狙うものはだた1人。
彼を満足させられるだけの精力の持ち主だ。
そして、1人の男を見つけ、狙いを定めて声をかける。
相手は、ミーメの美貌に一目で捕らわれ、抗うことも叶わず、彼の甘い罠に落ちていく。
今夜も1人の男が彼に精力を吸い尽くされ、抜け殻と成り果てるだろう。
そう、人の精力を吸い尽くす、淫魔(インキュバス)・ミーメによって・・・・


アルベリッヒの右手には、人の魂を刈り取る大きな鎌が握られている。
そして、死ぬ運命の人間を探し出しては、その鎌で次々と魂を刈り取っていくのだ。
そう、彼は魂の選別者・死神である。
今夜も彼は、魂を狩るために、死ぬべき人間の選別へと向かった。



その夜、シドは、1人の女と出逢った。
流れるようなストレートの銀髪に、アメジストの瞳、どこか憂いを秘めた神秘的な女だ。
シドはその女を一目見て、気に入った。
彼女の滑らかな肌に触れたい、
彼女のまっ白い首筋に噛み付きたい、
そして、彼女の鮮血を隅々まで飲み尽くしたいと、そう思った。
シドは、その女に、そっと声をかけた・・・・


その夜、バドは森の中を徘徊中、ミーメと出会った。
『よう、ミーメ・・・・』
『やあ、バド、今夜は狼にはならないのかい?』
『今日はあいにく、新月なもんでな、お前こそ、獲物を探しに行かねえのかよ?』
『ふふ、私の獲物は、今目の前にいる、君だよ』
『俺を食う気かよ?』
『ああ、君の精力は他のどんな男よりも美味しそうだからね、幸い、今夜は狼にはならないんだろう?』
『まあな、だが、別の意味で狼になるかもしれないぜ?』
『はは、それこそ願ったりだね!、やはり私を満足させられるのは君しかいないようだよ』
『ふん、言ってろよ!後で後悔しても知らねえぜ!』
『私を誰だと思っているんだい?、淫魔インキュバスだよ。君の方こそ、私を満足させる前にヘバったりしないでくれよ』
『安心しな。俺だってそう簡単にへばったりなんかしねえよ。淫魔のお前を満足させてやるさ』
『ふふ、頼もしいね、バド』
そして2人は暗闇の中、消えていった・・・・


『ったく、たりいよな、なんで俺がこんなめんどうくせえ仕事しなきゃなんねんだよ!』
アルベリッヒは1人愚痴を言いながらも、街の上空を漂っていた。
『こんな仕事、ジークあたりにさせればいいのによ』
などとぶつぶつこぼしながらも、人の流れを目で追っていると、
いた!
死ぬべき運命の人間が。
魂が半分離れかけている。
『・・・あいつか・・・・』
アルベリッヒは狙いを定めると、その人間の側まで降りてきた。
だが、普通の人間には、死神であるアルベリッヒの姿は見えないのだ。
なにも知らないその相手に、アルベリッヒは躊躇うことなく、一気に鎌を振りかぶり、その魂を刈り取った!
『よし、これでまずは1人め・・・』
魂を刈り取られたその相手は、突然その場に倒れて動かなくなった。
それを一瞥して、ふわりと宙に舞い上がり、次の獲物を探す。
死神アルベリッヒの長い夜は、まだまだこれからである・・・・



あとがき

夏!といえば怪談!
そして今日は13日の金曜日ということで・・・・
ダークストーカーズです!
私、こういうモンスターモノ大好きなんです^^

もう、君は帰れない・・・・
 

拒む男


ジークフリートの部屋のドアを叩いた人物、それは・・・・?
『・・・・シド?』
そう、そこにはシドが立っていた。
『や、やあ・・・ジークフリート・・・』
なぜかシドはジークフリートを見てソワソワしている。
『どうしたんだ、シド?こんな夜更けに・・・』
『いや・・・あの・・・兄さんは・・・来ていないかと思って・・・』
歯切れ悪くシドは言った。
なぜかジークフリートをマトモに見れないようだ。
(・・・・!?)
そこでようやくジークフリートは気付いた。
彼は湯上りで、すぐにベットに倒れ伏した為に、未だに腰にタオルを巻いただけの格好であることを、すっかり忘れていたのだ。
シドがソワソワしていた理由はこれだったのだ。
つまり、今のジークフリートは全裸であるのだ。
(・・・・シド・・・・)
ジークフリートは、ほんのり赤面しているシドに、バドの面影を重ねていた。
見た目はそっくりなこの双子。
だが、その身に纏っている雰囲気はまるで正反対なのだ。
ぶっきらぼうで荒々しくて激しい野性味に溢れたバドと違い、シドは優雅で気品に満ち溢れ、誠実で、真面目で、優しく、大人しい。
これが本当に双子か?と思われるほど、性格は正反対な2人。
(・・・・シドも・・・最中にバドのような声を出すのだろうか・・・?)
ふと、ジークフリートはそんなことを思っていた。
(・・・・・シドも・・・バドのように、激しく乱れるのだろうか・・・?)
知りたい!
バドが抱けないのであれば、代わりにシドを抱きたい!
ジークフリートの中に黒いものが広がっていく。
シドを抱きたい!
シドが欲しい!!
シドを隅々まで知り尽くしたい!!
徐々に広がっていく黒い欲望に、ジークフリートは抗えなくなってきた。
さあ、シドを抱くんだ!!
シドを自分のものにしてしまえ!!
もう抑えきれない。
ジークフリートにじっと見つめられ、きょとんとしているシドを、その手に抱き、すぐにでもベットに押し倒したい衝動に駆られるジークフリート。
そして・・・
『・・・シド・・・・』
ジークフリートは暗い眼差しで、シドに呟いた。
『バドに会いたいのなら、会わせてやろう』
『本当か、ジークフリート!?』
『ああ、だがその前に、私の部屋で待っていてくれないか?』
と、シドを室内へ招きよせるジークフリート。
シドはなんの躊躇もなく、ジークフリートの部屋へと入ってしまった。
そしてすかさずドアの鍵を閉めるジークフリートの様子に、シドは疑問符を浮かべた。
『・・・ジークフリート・・・兄さんを呼んでくれるんじゃなかったのか?』
『ああ、そのつもりだったが、バドは今夜は用事があるそうで、ここには来れないそうだ』
『・・・え?』
『せっかくの私の誘いを断るのだからな・・・あいつにも困ったものだ。』
『・・・・・?』
『おかげで私は・・・・弟のシドに手を出したくなったではないか!?』
ジークフリートの言ってる意味が分からず、ただただ首を傾げるしかないシド。
そんなシドの様子が可愛くて、つい、自制が利かなくなったジークフリートは、彼を強引にベットに押し倒していた。
『なっ!いきなりなにをする、ジークフリート!?』
突然のことに驚きを隠せないシド。
『なにって・・・兄のバドの代わりに、弟のお前を抱きたいと思ったんでね』
『は?』
やはり意味が分からないシドを、強引にベットの上に押さえつけ、ジークフリートは笑みを浮かべた。
こうして見ると、やはりバドにそっくり瓜二つだ。
シドは、これから自分がナニをされるとも知らず、ただただ不思議そうにしている。
『・・・シドは・・・やはり、バドにそっくりだな・・・・』
『当たり前だろ、俺と兄さんは双子なんだから!!・・・それより、重いんだが、いい加減どいてくれないか?』
『フッ、そうはいかない。これからイイことをしようというのに』
『・・・・イイこと?』
『そうだ、バドとシド、見た目は同じでも、体の具合はどんなものかと思ってな。やはりシドもバド同様、感度はいい方なのか?』
と、いきなり首筋にキスをしてくるジークフリートに、シドはさすがに気付いてきた。
このままではやばいということに。
『ちょ、ちょっと待て、ジークフリート!!一体どうゆうつもりだ!?』
どうやらシドはバド程、感度はよくないようだ。
バドなら、この時点ですでに感じまくっているはずだが、シドはそうでもないらしい。
『ふん、つまらんな』
ジークフリートは、シドもバド同様、すぐに感じる体質だと思っていただけに、多少残念に思った。
『ジ、ジーク!?どうゆうつもりかは知らんが、早く上からどいてくれ!!』
シドは、いきなりジークフリートに首筋をキスされたことに戸惑い、彼から逃れようともがいた。
だが、ジークフリートはシドを下に組み伏せて、決してどこうとしない。
『・・・・・・』
『言っただろう?これからイイ事をするって』
『だから、イイ事ってなんだ?』
『なんだ、知らんのか?ふ、まさかシドは、まだなのか?』
『なんのことを言っている?』
『まあいい、これからお前に天国を見せてやろうと思ってな』
『天国?』
『そうだ、まだイッたことはないんだろう?』
『確かに天国なんか行ったことはないが・・・・はっ!?まさか、ジークフリート、お前!俺を殺して天国を見せる気か!?』
『いや・・・その天国の方じゃないのだが・・・・』
だが、シドはジークフリートの言葉を聞いていなかった。
『ふざけるな!!俺をナメルなよ!ジークフリート!!』
そしてシドの爪が伸びると、ジークフリートの首へとその切っ先を突きつけた。
『さあ、ジークフリート!早く俺の上からどかないと、お前のその首、どうなっても知らないぞ!?』
シドはジークフリートを牽制してきた。
やれやれと思いながらも、ジークフリートはシドの上からどいた。
どうやらシドは、勘違いをしているようだが、それを教えてやったところで、同じだろう。
どっちの天国も見たくないはずだ。
ジークフリートが大人しく上からどいたことに安堵して、シドは素早くベットから立ち上がると、ジークフリートに言った。
『ジークフリート!一体どういうつもりで、俺にあんなことをしたり、殺そうとしたかは分からんが、もし今度同じことをしてみろ!次は俺も容赦はしないからな!!』
そして部屋を出ていくシド。
後に残されたジークフリートは、ただ残念そうに苦笑を浮かべた。
この鬱憤は、後でバドの体でたっぷりと晴らさせてもらおうと思いながら。


あとがき

一応、ジーク×シドっぽいですが、ジークはシドにフラれてますね^^;
やはりウチのシドは、ジークよりもバドの方が好きみたいです。
ごめんよ、ジーク・・・・
戻る
 
 

禁じられた遊び


ここはヒルダの部屋。
そこでは、
『まあv アルベリッヒったら、ほんとうにカワイイんですから!』
ヒルダは上機嫌でアルベリッヒの着せ替えを楽しんでいた。
アルベリッヒはもともと背が小さいので、女装をしても違和感がないのだ。
『お姉さま、こっちはどう?』
フレアがヒルダに服を渡した。
『あら、これならきっと、彼に似合いますわv』
とヒルダはヒラヒラしたドレスをアルベリッヒに見せた。
『こ、こんなもの、俺に着せるつもりですか、ヒルダ様!?』
『ええ、きっとよくお似合いですよ、アルベリッヒ』
アルベリッヒは、ヒルダとフレアのおもちゃ扱いにされているのだ。
彼も、うんざりしながらも、まさか拒否する訳にもいかず、嫌々ながらも姉妹にしたがっていたが、とうとう堪忍袋の緒が切れた!
『冗談じゃありませんよ!もう俺は、あなたがたに遊ばれるのは懲り懲りなんです!!』
すると、
『うふふ・・・じゃあアルベリッヒは、わたしたちに逆らうつもりかしら?』
いきなり黒ヒルダ降臨!!
『ヒ、ヒルダ様!?』
『まあ、アルベリッヒ。なにを怯えているの?』
ヒルダはアルベリッヒの顎に手をかけて、見下ろすように囁いた。
『ま、また・・・SMプレイをするつもりですか!?』
『あら、今度は・・・女装プレイよ!』
ヒルダは女物の衣装をアルベリッヒに見せた。
『どれが似合うかしらね・・・女子高生、ナース、メイド、チャイナ、バニー、ゴスロリ、アンミラ、ポリス、スッチー、水着、ブルマ、裸エプロン・・・』
と、ヒルダは続々と衣装をアルベリッヒに見せていった。
アルベリッヒはそれを見て、思わず戦慄していた。
『やっぱり・・・アルベリッヒにはコレが一番ね!』
ヒルダが最後に取り出したのは・・・・なんと!!
猫耳、しっぽ、肉球付きのにゃんにゃんコスだった!
首輪には、ご丁寧に鈴まで付いている。
『・・・・・・・・・・・・・』
無言でソレを見詰めるアルベリッヒと、ニコニコするヒルダ。
『では、早速着替えてください』
と、ヒルダはその衣装?をアルベリッヒに渡した。
衣装を押し付けられて、呆然とするアルベリッヒに、
『早く着替えてきてくださいね、楽しみに待ってるわv』
と、ウィンクしてみせた。

アルベリッヒは困っていた。
いきなりヒルダににゃんにゃんコスを渡されたのだ。
それに着替えるか否か?
答えは・・・NO!
こんなん着てられるかッ!!
アルベリッヒはもうヒルダに遊ばれるのには耐えられなかった。
このまま逃げてしまおう!
隙を見て、逃げようとした、まさにその時!
ピシッ!!
突如、鞭を叩くような音がして、
『あら、アルベリッヒ、一体どこへ行くつもり?』
背後からきつい口調で引き止められ、恐る恐る振り返って見ると、なんと!
そこには、いつかのボンテージ衣装のヒルダが、鞭を片手に立っているではないか。
『ヒ、ヒルダ様!?』
『このわたしから逃げるつもりだなんて、いい度胸してるわね、アルベリッヒ!』
先ほどまでとはまるで別人のように、アルベリッヒを冷たく見下ろすヒルダ。
実はヒルダは、このボンテージ衣装を着ると、性格が豹変してしまうのだ。
そう、まさに女王様になってしまうのだ!
もはや、こうなったヒルダを止められるものは誰もいない。
『さあ、アルベリッヒ。おとなしく、そのにゃんにゃんコスを着るのよ!』
ヒルダはアルベリッヒに、にゃんにゃんコスプレを強要した。
『い、嫌ですよ!!どうせまた、SMプレイとかするおつもりなんでしょう!?』
しかしアルベリッヒは、そのヒルダの命令に逆らった。
途端、ヒルダの瞳が妖しく光る。
『なんですって、アルベリッヒ。もう一度言ってごらんなさい』
『だ、だから・・・俺は嫌だと言っているのです』
ヒルダに多少ビビりながらも、それでも気丈に否定するアルベリッヒ。
『そう・・・・わたしの命令が聞けないというのね?』
ヒルダの瞳が冷ややかにアルベリッヒを見下ろす。
『うっ・・・!?』
さすがにアルベリッヒはたじろいだ。
『そういう悪い子には、お仕置きが必要ね』
と、妖艶に微笑むと、ヒルダは鞭をピンと伸ばして、それをいきなりアルベリッヒの首に巻きつけた。
『ぐっ!?・・・苦しい・・・』
いきなり首を締められ苦しむアルベリッヒを恍惚と見つめるヒルダ。
『にゃんにゃんコスが嫌なら、犬におなり!!アルベリッヒ!!』
まるで、首輪のように鞭を首に巻かれて、そのままグイグイと、アルベリッヒはヒルダに引き連られた。
『おーほほほ!!いいザマねえ!!さあ、犬なら、ワン!と吠えてごらんなさい!!』
『うう・・・・』
アルベリッヒはヒルダに、まるで犬扱いにされて、屈辱に耐えるので必死だった。
それでなくても彼はプライドが高い方なのだ。
これはかなり屈辱的だろう。
『どうしたの?お前は犬なんだよ!!さあ、吠えな!!』
アルベリッヒがなにも言わないので、さらにヒルダはエスカレートしていった。
またいつかのように、彼の前に、スッとその足を差し出し、ヒルダは告げた。
『さあ、アルベリッヒ、お前はわたしの従順な犬なのだから、わたしの足をお舐め!!』
(・・・・・・・)
アルベリッヒは考えた。
またヒルダの足を舐めさせられようとしている。
これは、かなりプライドが傷つけられる行為だ。
だから、本当はしたくはない。
だが、今ここで断ったら、またナニをされるか分からない。
ここは大人しく従った方がいいのか・・・?
と、アルベリッヒが思案していると、
『なにをしているの?早くお舐め!』
ヒルダが催促してきた。
実はヒルダは以前にも、アルベリッヒに足を舐めさせたことがあったのだが、その時は、かなり気持ちよかったのだ。
だからまた、彼に舐めてもらいたくて仕方なかったりする。
『さあ、アルベリッヒ・・・・わたしを舐めて・・・・v』
足が嫌なのなら、もっとイイトコロを舐めさせて、あ・げ・るv
と、ヒルダは密かに考えていた。
アルベリッヒのあの巧い舌使いで、あんなところやこんなところを舐めてもらえたら、どんなにか気持ちイイだろうか?
そう思うだけで、ヒルダはすでに遠い世界へイッてしまいそうだった。
そんな、イッちゃったヒルダの様子にも気付かず、アルベリッヒはただただ、この場をどう切り抜けようか考えていた。

その時、突如フレアが姉を呼んだ。
『大変よ、お姉さま!』
『何事です?フレア!今、アルベリッヒとイイトコロなのだから、邪魔しないで!!』
『そ、それが・・・そういう訳にもいかなくて・・・・とにかく来てください、お姉さま!』
『もう、仕方ないですね・・・アルベリッヒ、この続きは、また今度しましょうねv』
そして、ヒルダは素早くボンテージ衣装の上にガウンを羽織って、行ってしまった。
それを見送るアルベリッヒ。
こうしてアルベリッヒは、ヒルダの毒牙にかからずに済んだ。


ヒルダ様の、一口感想メモv
アルベリッヒとは、ワンワンプレイ、舐め舐めプレイ、共に少々
フレアの邪魔?さえ入らなければ、もっとイケたはずですのに、残念ですわ!


あとがき

ヒルダ×アルベリッヒです。
このカプ、いいですねえ^^まるで姉弟みたいで微笑ましいです(本当か?)
カプにしても、あまりエロくなりませんし、
ただ、ヒルダお姉ちゃんが、弟アルにイタズラしてるみたいでv
弟イジメは、姉の特権ですよねv
もどる
 
 

トールvsアルデバラン


(巨体対決)
トールvsアルデバラン
大蛇vs雄牛
巨体対決


解説:
説明しよう!これは、もしアスガルドに攻め込んだのが青銅聖闘士ではなく、黄金聖闘士だったら?
という、IF〜もしも〜的なお話です。
なお、設定は青銅の時と同じく、神闘士たちのオーディンサファイアを集めることが目的ですが・・・
話によっては、全然それに触れていない時もあります。
しかも、なぜかヒルダはニーベルンゲンリングを嵌めていない普通のヒルダです。
じゃあ、神闘士や黄金聖闘士たちは、一体なんの為に戦っているのでしょうか・・・?
謎です。(おいおい)
・・・いや、ただ単に、神闘士と黄金聖闘士を戦わせたら面白そうだな!と、思って書いたのですが・・・^^;
さらに、一応公平に書いたつもりですが、作者の独断と偏見がかなり加わっていると思いますが、どうかご容赦の程、よろしくお願いします!
以上!



ここはアスガルド、ワルハラ宮殿へと続く道
そこでは、2人の巨体が対峙していた。
『貴様がタウラスのアルデバランか?』
『いかにも。そういうお前は、フェクダのトールだな?』
『ふ、その通りだ。貴様もなかなかの巨体のようだが、所詮俺には敵わんな!』
『フン、確かに背の高さではお前の方が上のようだな・・・だが、力では俺の方が強い!!』
『果たしてそうかな?』
『そうだとも!なら、試してみるか?』
『フッ、面白い。元よりそのつもりよ!行くぞ!!』
『来い!!』

『ミョルニルハンマー!!!』
トールが2本の斧をアルデバラン目掛けて投げ飛ばす。
が、アルデバランはそれを避けることもせず、なんと、素手で受け止めたではないか!
『なに!?俺のミョルニルハンマーを素手で受け止めるとは!?』
さすがに驚愕するトール。
そしてアルデバランは、斧をトールに投げ飛ばしつつ、
『今度はこっちから行くぞ!!グレートホーン!!!』
トールに向かって、まさに雄牛の如く突っ込んで行った。
『!!!』
トールは自分の斧を受け取る暇もなく、咄嗟にその場を回避するので精一杯だ。
そんな避けたトールに向かって、またしても突っ込んでいくアルデバラン。
『グレートホーン!!』
『おのれ!!、タイタニックハーキュリーズ!!』
トールも負けじとアルデバランに突っ込んで行った。

巨体同士が激しくぶつかり合う!
唸る大気!!
揺れる地面!!
そして、当然のことながら、起こる大雪崩!!!

巨体2人は成すすべもなく、襲い来る雪崩に飲み込まれていった・・・・
こうして、なんだか分からない、巨体対決から始まった2人の戦いは、呆気なく終わった・・・・


トールvsアルデバラン
結果は・・・
2人とも雪崩に飲み込まれて生死不明の為、引き分け。


あとがき

トールといえば、やはり相手はアルデバランでしょう!
ということで、この巨体同士の戦いです。
それにしても・・・なんだか呆気なく終わって、お粗末な結果になってしまいました。
ご免!
戻る
 
 
 

フェンリルvsミロ

フェンリルvsミロ
北の人喰い狼vs真紅の蠍

ミロはいつのまにか狼の群れに囲まれていた。
『ガルルル・・・!!』
『なんだ、こいつらは・・・?』
そこへ、
『おい、ギング、そんな不味そうな人間を食べたら、腹を壊すぜ!止めときな!』
1人の少年が狼の群れの背後から現れた。
『ほう、俺が不味そうか・・・』
『ああ、お前は見るからに不味そうだからな!』
『ふっ!面白いことを言うじゃないか?、するとお前が北の人食い狼・アリオトのフェンリルだな?』
『その通りだ!』
『俺はスコーピオンのミロだ!お前を倒しに来た』
『へん、この俺を倒すだと・・・人間風情が狼に勝てると思うな!!行くぞ、ギング!!』
フェンリルはギングを伴って、ミロに襲いかかった。
『喰らえ!ウルフクルエルティクローウ!!』
無数の狼の牙がミロに襲いかかる。
さらに、技を繰り出すフェンリル。
『ノーザン群狼拳!!』
無数の狼たちがミロに襲いかかる。
『・・・なるほどな、確かにお前は狼だ、だが・・・!!』
ミロはマントで狼達をバサァと振り払うと、フェンリルに向き技を放った。
『リストリクション!!』
『な・・・にい・・・!?』
突如、ミロの技により、体の自由を奪われたフェンリル。
体が動かない。
『狼よりも、人間の方が強いことを証明してやろうか?』
『なっ!なにをする気だ・・・!?』
『なあに、ちょっと動きを封じただけだ、心配するな。なにもしない。・・・俺を信じろ』
『なんだと!?お前を信じろだと・・・!?』
『ああ、それに俺は、お前と悠長に遊んでるヒマはないんでね、アテナの命がかかっているんだ』
『ふん!俺は、人間なんか信じねえ!お前もアテナも、こいつらに食べられてしまえ!!』
なぜか人間不信な頑ななフェンリルの態度に、ミロは興味を覚えた。
『・・・お前・・・、なにか訳ありのようだな?』
そんなミロを睨みつけ、フェンリルは啖呵を切った。
『お前には関係のないことだ!俺が信じるのは、こいつら狼たちのみだ!!人間なんか・・・人間なんか・・・みんな食われてしまえばいい!!』
そんな人間不信なフェンリルの態度に、ミロも、少々お灸を据える必要があるなと思った。
(仕方ないな・・・あまり手荒なことはしたくないが、時間もない。ここはさっさと終わらせて、オーディンサファイアを手に入れるか・・・)
そしてミロは、フェンリルに向かい、その指をスッと掲げると
『甘ったれるな!!どんな辛い過去があろうと、狼に人間を襲わせ、食べさせるなど、言語道断!!食らえ!真紅の衝撃!!』
『・・・グッ!?』
ミロがその赤い爪をフェンリル目掛け突き刺すと、途端、もの凄い激痛がフェンリルを襲った。
『・・・!!!!』
『さあ、発狂か?、死か?』
『・・・どっちも・・・お断りだ・・・・!!』
フェンリルは体中を襲う激痛に耐えつつも、唸った。
『・・・そうか・・・ならば死ぬか・・・?』
『・・・っ!?』
そしてミロは、最後の一撃を・・・!!
『これで最後だ!真紅の衝撃!スカーレットニードル!!!』
ミロはフェンリルの丁度心臓の辺りに、最後の一針を刺した。
今まで以上の凄まじい激痛がフェンリルを襲う!
たまらずその場に倒れるフェンリル。
「・・・くーん・・・くーん・・・」
その頬をギングが心配そうに舐めている。
(・・・俺は・・・・死ぬのか・・・・?)
フェンリルは激痛で薄れ逝く意識の中、ふとそう思った。
(・・・ごめん、ギング・・・・もう、お前と一緒に・・・狩りをしたり、遊んだり、できなくなっちまったな・・・・・)
そしてフェンリルは、その瞳を静かに閉じた。
「・・・・く〜ん・・・?」
ギングは危惧した。
もう2度と、フェンリルの瞳が開かないのではないかと・・・・
そして、バッとミロに向き直ると、その牙を剥いた。
「がるるる・・・・!!」
『ほう、主人の仇を討つか?狼?』
ギングがミロに襲いかかろうと、飛びかかろうとした瞬間に、
『リストリクション!』
ミロの技で動きを封じられた。
『まあ、そう慌てるな。無駄に命を落とすこともあるまい。それに・・・・』
と、倒れるフェンリルに近づき、
『今のは真央点を突いたのだ。安心しろ、死んではいない。ただ、こいつに少し大人しくしてもらいたかったのでな、これを貰うために・・・』
その手には、フェンリルのオーディンサファイアが輝いていた。
そしてミロは、マントをバサァと翻すと、今だ倒れているフェンリルと、威嚇を続けているギングに、軽く一瞥してから、ワルハラ宮殿目指して先を急いだ。


あとがき

すいません!フェンリルの技、よく覚えていないので適当です。
またあとでアスガルド編DVD見直さなくちゃ!
発狂か?、死か?
 
 

ミーメvsシャカ

ミーメvsシャカ(ムウ)
美形対決

ここは廃墟跡。
その瓦礫に腰を下ろし、竪琴を弾いている男が1人。
そして、座禅を組んでいる男が1人。
2人はお互い微動だにせずに、静かにその場に座していた。
そして、その様子にヤキモキしている男も1人・・・
『・・・まったく、シャカが心配で来てみれば・・・あの2人はなにをしているのでしょうか・・・・』
ムウは、まったく動かないシャカとミーメを見て、半ば呆れていた。
今は一刻も早く、神闘士達を倒し、オーディンサファイアを集めなければならないというのに・・・
だが、そんなムウの心配をよそに、2人はひたすら、座禅を組み、竪琴を弾いていたが。
耐え切れなくなったムウが出ようとした、まさにその時!
今までお互い目を閉じていた2人が同時に瞳をクワッと開いた!
それと同時に、凄まじい小宇宙と殺気が溢れ出す。
これにはさすがに驚き、慌てて引っ込むムウ。
そして、
『カーン!!』
『・・・っ!?』
ミーメがいきなり放った光速拳を、バリアを放って防ぐシャカ。
どうやら2人は、ただ座っていただけではなく、お互いに隙のない者同士、相手の隙を窺っていたようだ。
『フッ、さすがはバルゴのシャカ・・・私の光速拳を見事見切り防ぐとはね・・・』
『ふっ、私をなめてもらっては困るな。ベネトナーシュのミーメよ・・・』
2人はそのまま静かに対峙して、シャカがおもむろに手にした数珠を振りかざした。
その数珠には10つの珠が繋がっていた。
今はどれも雪のように真っ白だが。
『この数珠がなんだか分かるかね?、この珠が全て黒く染まる時、それは君たち神闘士達が全滅した証だ』
『・・・まて、神闘士は全部で8人だ。なぜ2つ多いのだ?』
『ふん、そんなこと、ヒルダとフレアに決まっていよう』
『・・・・君は、女性にまで手をかけようというのか・・・?』
『敵ならば仕方あるまい。このシャカ、あいにく弱者に対する慈悲の心など持ち合わせてはいないのでね』
『・・・・なるほどね』
ミーメはなにかを悟ったように頷くと、立ち上がった。
『どうやら君は、このミーメを本気にさせたいらしいね・・・・?』
『フッ、元よりそのつもりだが・・・君が死ねば、他の神闘士も、そして彼女らも死ぬ。ただそれだけのことだ』
『これで分かったよ。私も本気を出させてもらうよ。他の神闘士達はともかく、ヒルダ様とフレア様は、命を賭しても守らねばならないんでね』
『私も君と同じで、アテナをなんとしても助けねばならんのだ、手加減はできん。本気でいかせてもらう』
そして、先に動いたのはミーメだった。
『聴け!甘美なる死の旋律を・・・、ストリンガーレクイエム!!!』
ミーメの竪琴から弦が伸び、シャカへと襲いかかっていく。
だが、シャカの張ったバリアで、それはことごとく跳ね返された。
『・・・っく!?』
『フッ、どうしたのだ?、君の技はその程度か?今度は私から行くぞ』
そして、シャカは、
数珠を一振りして、
『オーム!悪霊退散!天空覇邪魑魅魍魎!!』
ミーメに向かい、無数の魑魅魍魎たちが襲い来る。
だが、そんな幻影に騙されるミーメではない。
それを冷静にやり過ごし、静かに竪琴を奏で、精神を集中させる。
そして、小宇宙を最大限にまで燃やし、ミーメはシャカに向かって光速拳を放った。
それはシャカに届く前にバリアに阻まれるかと思われたが・・・
ガシャン!!
見事シャカのバリアを打ち砕いた!
『・・・ふ、見事だ、このシャカのバリアを破るだけでなく、私から血を流させるとはな・・・・だが、それが君の命取りになるのだぞ?』
見ると、シャカは血を床に垂らしていたが、それがミーメの足元まで迫り、ミーメをぐんぐん飲み込んでいくではないか!
そう、その様はまさに血の池地獄そのものだった。
『・・・っ!?』
自分の体が、シャカの血によって徐々に沈みいくミーメ。
もがけばもがくほど、体は血の海の中へと潜っていく。
ミーメは念じた。
(落ち着け、これは幻影だ。いくら神に最も近い男・シャカといえど、本物の血の池地獄など作り出せるはずなどない)
そして、気持ちを落ち着け、ミーメはもがくのをやめた。
体は依然、血の池へと沈みいくが・・・・
気付くと、全身を覆っていた生暖かい血の感触が消え、いつもと変わらぬアスガルドの冷たい空気に晒されていた。
『・・・私の技を見破るとはな、さすがはベネトナーシュのミーメよ・・・』
シャカは感心したように呟いた。
『ならば、これはどうかな?、天魔降伏!!!』
更なるシャカの攻撃にも、ミーメはなんとか耐え忍んだ。
『一度ならず、2度までも、私の攻撃に耐えうるとはな・・・・面白い!』
シャカは本気で楽しそうだ。
それもそのはず、今まで、シャカの技をことごとくかわしてきた相手が、一輝以外にいただろうか?
『・・・ふ、どうやら君の技は、精神攻撃が主らしいね、ならばこのミーメには効かない』
ミーメもシャカの技の本質が分かってきた。
単なる力技ではなく、主に相手の精神を直接攻撃して破壊する技だということに。
『フッ、その通り、だが、次はそう簡単にはかわせんだろう?、今から君に6つの地獄を見せよう!』
そして、シャカはその手にした数珠を振りかぶり、
『オーム!六道輪廻!!!』
ミーメをいきなり地獄送りにした。
『さて、君にはどの地獄がお似合いかな?気に入った地獄に落ちたまえ』
ミーメは地獄を巡り、1つの地獄へとその意識が向いた。
そこは・・・・


ミーメが依然、地獄巡りから戻ってこない様を、少々残念に思うシャカ。
『・・・・逝ったか?、あやつならば、この六道輪廻さえも見事生還してくるやもしれんと思っていたが・・・このシャカ、少々彼を買い被りすぎたか・・・・?』
だが・・・・やはりミーメは生きていた。
『ふっ、やはり生きて戻ってきたか、ミーメよ・・・、そうでなれば面白くない』
『・・・シャカ、君には礼を言おう。地獄巡りさせてくれたおかげで、父に・・・フォルケルにまた会うことができたよ・・・・』
『・・・そうか。ならばもはや、もうなにも思い残すことはあるまい。今度こそ本当に父の御許まで送ってやろう!』
そして・・・
クワッ!
再び閉じていたシャカの目が開いた!
『オーム!!天舞宝輪!!!』
『・・・!?』
ミーメは突如、体の自由を奪われ、動けなくなった。
(なっ、なんだこれは・・・!)
『フッ、君はもはやこのバルゴのシャカ、最大の奥義・天舞宝輪にかけられ動くこともできぬ』
(なに!?これがバルゴのシャカ、最大の奥義・天舞宝輪!?)
『そうだ、そしてこれから、君の五感を1つ1つ確実に絶っていき、最後には、ただ心臓が動いているだけの、生ける屍となろう』
(・・・!?)
『そら、まずは・・・第一感・剥奪!!』
シャカが数珠を一振りすると、途端、ミーメは視力を奪われ、なにも見えなくなった。
(・・・・くっ!?)
『次は・・・第二感・剥奪!!』
さらに、今度は聴力が。
『第三感・剥奪!!』
次は嗅覚が。
『第四感・剥奪!!』
そして味覚が剥奪され、残るは触覚のみにされたミーメ。
だがミーメは抗うこともせずに、むしろ甘んじて感覚を剥奪されているようにもみえる。
そしてミーメが感覚を失うほどに、彼の小宇宙は徐々に増していくことを、シャカは気付いているのだろうか?
『これで最後だ!第五感・剥奪!!』
とうとうミーメは五感全てをシャカによって剥奪されてしまった。
もはやなにもできない。
本当に人形にようにただ佇むだけのミーメ。
『・・・哀れなものよ、もはや心臓しか動いていない、まさに生ける屍に成り果てようとは・・・・』
シャカは、これもせめてもの情けと、ミーメの心臓に止めを刺そうと近づいた。
すると!
ガシッ!!
『・・・・!?』
突然、動けるはずのないミーメが、シャカの腕を掴み上げたではないか!
それにはさすがのシャカも驚きを隠せなかった。
『な!これは一体・・・!?』

(フ、かかったね、シャカ!)
ミーメはシャカを羽交い絞めすると、小宇宙会話で耳元に囁いた。
(私は、君がいつも瞳を閉じているのは、視力を絶つことにより、その分小宇宙を高めていると気付いていたよ。ならば私も君のように五感を全て絶つことで、さらに小宇宙を増大させて、とうとう第六感にまで至ったという訳だ!)
『なに!?では君はあえて私の天舞宝輪にかかり、五感全てを剥奪されたというのか!?』
(ああ、そうでもしなければ、神に最も近い男といわれる君に勝てないと思ったのでね!悔しいが、これで相子だ)
ミーメの小宇宙がさらに高まっていく。
『ま、待て!このまま小宇宙を燃焼させて爆発させたら、私はおろか、君自身まで粉々に消滅してしまうのだぞ!それでもよいのか!?』
(仕方ないだろう・・・・私1人の命で、神に近い君を殺せるのならば安いものだ。後の事は、他の神闘士達に任せるよ・・・)
『き、君は・・・・!?』
そして・・・・
ミーメの小宇宙が最大限にまで膨れ上がり、とうとう爆発した!
凄まじい衝撃が廃墟跡を飲み込む。
その衝撃の収まった後には・・・・もはやミーメとシャカ、2人の姿はその場から忽然と消えていた・・・・

ムウは、その衝撃を柱の陰で回避していたが、
『・・・・シャカ・・・・』
2人の消えた辺りを呆然と見つめて、一言呟いた。
『・・・やれやれ、また、次元の狭間にでも迷い込んでしまったのでしょうかね?』
と。



あとがき

まんま十二宮でのシャカvs一輝戦のパクリじゃん!(汗)
いや、もはやなにも言うまい・・・・(何?
迷わず地獄へ落ちたまえ!
 
 

アルベリッヒvsデスマスク

アルベリッヒvsデスマスク
悪人対決

デスマスクは不気味な森の中に足を踏み入れていた。
『ったくよ、アテナがどうなろうが俺には関係ねえことだが・・・・つい、変な所まで来ちまったぜ・・・』
辺りは枯れた木で覆われている、実に不気味な森だ。
そして・・・
『・・・なんだありゃ?』
デスマスクは、木に混じって、巨大な紫色の透明な石を発見して、それに近付いてみると・・・
なんと中には、白骨死体が入っているではないか。
なかには、腐乱した死体まで入っているものもある。
『・・・なんつー悪趣味な・・・・』
自分も死に顔を自宮の壁に浮き上がらせているにも関わらず、さすがに嫌悪感を覚えるデスマスク。
とそこへ、
『フっ、素晴らしいだろう?俺のコレクションは』
いつの間にか背後に、赤毛の背の小さい男が立っていた。
『なんだ、てめえは?』
『俺か?俺はデルタ星・メグレスのアルベリッヒ。そしてお前は・・・・キャンサーのデスマスクだな?』
『なっ、なんでてめえが俺のこと知ってんだよ?』
『ふっ、アテナの聖闘士が、それも黄金聖闘士が攻めてきたらしいじゃないか、そうすると、俺に当たるのは、先祖アルベリッヒ13世が対峙したことのあるライブラの童虎か、それとも、キャンサーのデスマスクか、そのどちらかと思ったんでね。で、君はどう見ても童虎ではない。とするとキャンサーのデスマスクだろ?、その蟹足のヘッドパーツを見れば誰でも分かる』
『悪かったな、蟹足でよ!!それにしてもよくまあベラベラと喋るもんだな、インテリ野郎!しかも悪趣味ときてやがる!』
『ふふ・・・光栄だね。君もこのアメジストシールドのコレクションに加えてあげよう』
と、いきなりアルベリッヒはデスマスクに技をかけた。
『アメジストシールド!!』
『なっ!?危ねえ!!』
それをとっさにかわすデスマスク。
『てめえ!!食らえ!積尸気冥界波!!』
デスマスクもアルベリッヒを冥界送りにした。

だが、
『フッ、効かないね』
『ちっ!』
そして、アルベリッヒは妙な構えを取ると、
『ネイチャーユーニティー!!』
『なにい!?』
突如、デスマスクの背後の木の枝が伸びてきて、彼の体を縛り付ける。
『なっ、なんだ!?』
『ふふ、これで君はもう、動けない。さあて、どうやっていたぶり殺してやろうか?、アメジストシールドでアメジストの中で徐々に生気を吸い取られて死に逝くか・・・・、それともこのまま植物の枝でじわじわ絞め殺してやろうか?、いや、炎の剣で焼き殺し、悶え苦しむ姿を見るのも面白い・・・ククク・・・・』
と、不気味に笑う。
なんとも悪趣味な奴である。
『ちっ!冗談じゃねえ!!そんな殺され方されてたまるかよ!!!』
デスマスクは木の枝から逃れようともがくが、その度に枝がぐいぐい体を締め付けてくる。
『くっそー!このままじゃ、ヤべえ!!』
『ふふふ、泣いても喚いても誰も助けになんか来ないぞ?』
『別に助けを期待してる訳じゃねえ、お前なんざ俺1人で充分だからな、ただ・・・身動きが取れねえだけだ!』
『ふん、そんな強がりを言っても、君はもう俺からは逃れられない』
デスマスク、絶体絶命の大ピンチだ!
どーする!?デスマスク!?



あとがき

アルvsデス
悪人(?)対決です。
また続きものですか・・・?
アメジストシールド!
 
 

シドvsカミュ

シドvsカミュ
クール対決

柱の並ぶ神殿に足を踏み入れたカミュ。
すると、その前方に1人の青年が立ち塞がった。
『お前が、アクエリアスのカミュか?』
『・・・・そうだ。お前がミザールのシドだな?』
『ふっ、その通り。そしてここがお前の墓場になる場所だ!!』
と、いきなりシドは構えを取ると、カミュに向かって技を放った。
『食らえ!バイキングタイガークロ〜ウ!!』
シドの凍気の拳圧によって、シドの爪で切り裂かれた跡が見事に氷付く。
だが、
『・・・・その程度の凍気か?』
カミュは、マントを翻すこともせず、微動だにせずに、涼しい顔で言い放った。
『なに!?』
『北の果て、極寒のアスガルドの神闘士の拳・・・・さぞや凄まじい凍気の持ち主かと思いきや、なんのことはない。その程度では、このカミュを倒すことなど到底叶わぬ・・・・』
『・・・・くっ!!』
シドは、自分の凍気を否定されたようで、歯噛みした。
『ならばこれはどうだ!、ブルーインパルス!!!』
今度こそ、本当の凍気の拳を繰り出すシド。
だが、やはりカミュはそれをかわすことも、避けることもせずに、1歩足を引いてその身に受けた。
『やったか?!』
シドが固唾を呑んで見守る中、カミュは変わらずそこにいた。
多少、体の表面や黄金聖衣が凍り付いていたが、それだけだった。
『・・・ふっ、やはり甘いな。この程度の凍気では、私の皮膚一枚凍らせることはできても、それだけだ』
『・・・なっ!?』
シドは驚愕した。
さすがは水と氷の魔術師・アクエリアスのカミュだ。
シドの凍気が全然効かないとは。
『なっ、なぜだ・・・!?』
そんな驚愕するシドに、カミュはすっと向き直ると、おもむろに聞いてきた。
『・・・絶対零度とはなんだ?、答えろシド』
『な、絶対零度だと・・・・?』
いきなり質問され、答えに困るシド。
するとカミュは、おもむろに両手を頭上で組んだあの格好をとった。
そう、アクエリアス・カミュの最大の奥義・オーロラエクスキューションだ。
『知りたいか?、ならば教えてやろう。このカミュ最大の奥義・オーロラエクスキューションによって!!』
そしてカミュは、その腕の聖衣のパーツが重なり水瓶のかたちをとった両腕を振り下ろした。
『オーロラ・エクスキューション!!!』
もの凄い凍気がシドを襲う。
『・・・クッ!!!』
シドは耐えた、が、
耐え切れず、皮膚が、体が、神闘衣がみるみる氷付いていく。
このままではヤバイ!!
全身が骨の髄まで氷付きそうだ。
そして・・・・

シドは辛うじて倒れることなくその場に立っていたが、すでに意識はなかった。
『・・・このカミュのオーロラエクスキューションを受けて立っていられたのは、氷河以外ではお前が初めてだ。よって敬意を表し、この私自らフリージングコフィンによって、永遠にその姿のまま朽ちることもなく、この氷の棺の中で眠らせてやろう・・・そう、永遠にな・・・・・』
と、シドにフリージングコフィンをかけようとするカミュ。
が、それを柱の陰でこっそり見ていたバドが慌てて止めようとした、まさにその時!!


あとがき

シドvsカミュ、クールビューティー対決ですね^^
実はこれには変な番外編というか、後日談があるのですが・・・
はっきり言って、キャラが全員壊れています、特にシド(汗)
・・・フリージングコフィン!!
 
 

眠れる氷の棺のシド


(シド争奪戦!)

シドvsカミュ番外編?
黄金聖闘士たちとの戦いの後・・・
カミュのフリージングコフィンによって、氷の棺に閉じこめられたシド。
そのシドを助ける為に、神闘士たちは・・・?

『ああ、シド!なんて姿に・・・!?』
氷付けのシドの遺体(?)を発見し、うろたえまくったのは、案の定、シドらぶらぶの、ジークフリートとバドの2人だった。
『シド!待ってろよ!今、助けてやるからな!!』
そして神闘士たちは、氷の棺を壊そうと、次々に技をかけたが、そのどれもこれもが全然通用しない。

『くっそお!どうすればこの忌々しい氷の棺を壊すことができるんだ!?』
と、皆が諦めかけた時!
『・・・この氷の棺は、どうやら天秤座の武器でしか破壊できないらしい』
その様を、1人涼しい顔で見ていたアルベリッヒが冷静に呟いた。
『なら、最初から言えよ!!』
途端、全員にツッコまれるアルベリッヒ。

『だがよ、天秤座の聖衣ったって、一体どこにあんだよ!?』
バドがイライラしながら、アルベリッヒに詰め寄った。が、
『そんなこと、俺が知る訳ないだろう?』
アルベリッヒはあっさり言った。
その態度にさすがにキレるバド。
『てめえ!!!シドがどうなってもいいってのか!?』
『ああ、俺には関係ないね』
またしてもあっさり認めるアルベリッヒ。
『・・・!!!』
さすがに言葉を失い、絶句するバド。
『・・・こ、こいつ・・・!!!どうやら死にてえらしいな・・・!!!』
『フッ、俺を殺るのか?』
と、ニヤリと笑うアルベリッヒ。
『・・・ちっ!!』
一触即発!
バドが、アルベリッヒの首に手をかけようとした、まさにその時!

その様子を傍で見ていたジークフリートが2人の間に割って入ってきた。
『まあまあ、2人とも止めないか。バドよ、こんなことをしてても、シドは助けられんぞ。それにアルベリッヒよ・・・・』
と、なにやらアルベリッヒに耳打ちするジークフリート。
するとアルベリッヒは
『・・・・いいだろう。ならば教えてやるよ、天秤座の聖衣の在り処をな』
とあっさり折れた。
一体ジークフリートはアルベリッヒにナニを言ったのだろうか?
なんにしろ、アルベリッヒは言った。
『天秤座の聖衣は、聖域の天秤宮にある』
『そんなことは知ってるわ!それをどうやってこの場に持ってくるんだよ!?』
『そんなの、誰かが取りに行けばいいだろう?』
『誰かって・・・・誰が行くんだ?俺は嫌だからな!』
『俺も、あんな暑いところへ行くなんてイヤだぞ』
『ならば私が行こう!聖域の天秤宮に行けば天秤座の聖衣はあるんだな。それさえあればシドを助けることができるのであれば、お安い御用だ!』
『ジークが行ってくれんのか?』
『勿論だ!シドの命がかかっているのであれば、善は急げだ。早速行ってくるぞ!』
とジークフリートはもの凄い光速で聖域へと向かった。
それを見送る神闘士たち。
『・・・・ジークの奴、シドの命がかかってるとなると本気だな』
それからしばらくして、ジークフリートは天秤座の聖衣を抱えて戻ってきた。(早ッ!)

こうして、天秤座の聖衣も無事手に入れ、あとは氷の棺を壊すのみ!
『いくぞ・・・!!』
ジークフリートがソードを構え、一閃させる。
すると見事に氷は真ッ二つに裂け、シドの体を解放した。
『シド!!大丈夫か!?』
そして、倒れこむシドに、真っ先に駆けつけ、抱きかかえるジークフリートとバド。
『ああ、シド・・・こんなに体が冷たくなって・・・・』
シドは、凍死寸前にまで体が冷たく冷えていた。
『冷たくなった人の体を温めるには、人肌で温めあうのが一番いいらしいぞ?』
というアルベリッヒの言葉を聞いて、ジークフリートとバド、2人はお互い顔を見合わせ、そして同時に言い放った。
『シドを温めるのは、兄であるこのバドだ!!』
『いいや、リーダーである私の役目だ!!』
バドとジークフリード、どちらも一歩も退きそうにない。
そこへ、ミーメが
『待って、2人とも。ここは僕に任せて、君たちは早く先へ進んで!』
いきなり変な口調で話し出したミーメに、2人は怪訝な顔をした。
『・・・・ミーメ?』
『というか、ミーメ!お前、アンドロメダ・瞬の真似して、シドを小宇宙で温めるとかなんとかうまいこと言って、どさくさにまぎれて変なコトするつもりだろう!?』
(チッ!バレたか・・・)
図星だった。
どうやらミーメは、同じくフリージングコフィンで凍死寸前になった氷河を小宇宙で温めて甦えらせた瞬の真似して、シドを小宇宙で温めるという口実を作り、その実、意識のないシドにイロンナことをしようと画策していたのだ!
『なあ、そんなことより、早くシドを温めてやらきゃなんねんだろう?』
フェンリルが心配そうにシドを見下ろしている。
その足下ではギングがシドの頬をペロペロ舐めていた。
それを見て、
『ああー!!ギング、てめえ、俺のシドをナニ舐めてんだよ!!』
狼にまで怒るバド。
まったく大人げない。
『お前ら、いい加減にしろよ!早くしないとシドが凍死するぞ!!』
というハーゲンの忠告に、
『はっ、そうだった!早くシドを温めてやらねば!』
我に返ったジークフリートとバド。
だが、依然お互い牽制しあっていた。
『シドを抱くのはこの俺だ!』
『だ、抱くって!?温めるのではないのか!?』
『この際どっちも同じことだろ?』
『違うわあ!!』

そんな2人のやり取りを呆れて見ている他の神闘士たち。
『なあ、あの2人は放っておいて、俺たちでなんとかしようぜ!』
とフェンリル。
『そうだな。あんなバカ2人に構ってる時間はない』
と、ハーゲン。
『それならやはり、この私がシドを温めるのに相応しいだろう?絵的にも美しい・・・・』
とミーメ。
『確かに・・・、だが、絵的にはどうでもいいことだが』
『なにを言う!?汚い者同士よりも、美しい者同士の絡みの方がいいに決まっているだろう!?』
ミーメはなおも食い下がる。
『いや・・・絡みとかそういうじゃないんだがな・・・』
『ここはやはり、俺がやるか?』
と、トール。
『お、俺は、男を抱くなんてヤダからな!!』
『おいおい、ハーゲン。なにも抱く訳じゃないんだ。ただ小宇宙を燃焼させて、その熱でシドの体を温めてやろうというんだ』
『だが、どっちにしろ、抱かなきゃなんねんだろう!?俺はフレア様以外は抱かないからな!!』
『うーん、ミーメは色んな意味で危ないし、ハーゲンは嫌だと言う、アルベリッヒはどうなんだ?』
と、トールが終始無言のアルベリッヒに会話を振ってみたが、
『俺か?、別にどうでもいい』
ただ素っ気無く返すだけ。
『おいおいアルベリッヒ、一体どうしたんだ?、今日はやけに冷めてるじゃないか?』
『別に俺は普段どうりだが?』
『そうか?ならいいんだが・・・』
『なら、俺がシドを温めてやるよ!、な、ギング!』
とフェンリルが名乗りを挙げた。
『そうだな、フェンリルならば問題ないだろう』
トールもフェンリルならば大丈夫だろうと、彼に任せることにした。
そして、フェンリルはシドを抱きかかえると、いきなりその顔を舐め出した。
『お、おい!フェンリル!なにやってるんだ!?』
『なにって、体を舐めてやってるんだよ。こうすればだんだん体が熱くなってくるんだ』
『・・・確かに・・・、じゃなくて!!そうじゃないだろう!?まったくお前までシドにそういうことするとは思わなかったぞ!?』
『なんだよ!?俺がシドを舐めちゃいけないっていうのか!?』
『いや、普通は人は人を舐めないもんなんだぞ!』
『ふん!どーせ俺は人じゃないんだろ!しょせん人間未満の狼少年さ!!』
なぜかひねくれるフェンリル。
『フェンリル、別にそういうつもりで言ったんじゃないんだ』
そんなフェンリルをなだめるトール。
そうこうしてる間にも、ミーメはシドの側に行くと、彼を抱きかかえて・・・・

『こらー!!ミーメ!どさくさにまぎれてナニさらしてんじゃ!!』
その現場をバドとジークフリートに見つかってしまった。
『ナニって・・・君たちがなかなか決めないもんだから、私がシドを温めてやろうとしているんじゃないか?』
『だからって、なぜシドの首筋にキスして、胸をまさぐる必要があるんだよ!?』
『だって、シドって色っぽいから・・・つい・・・』
『・・つい・・・じゃねえええ!!!!』
愛しいシドを、ミーメに取られて。
バドがキレた。
ジークフリートもキレた。
『フッ、ナニを怒っているんだい?、君たち。男の嫉妬は見っとも無いよ』
『誰のせいだと思っているんだ!?お前のせいだろ!!』
ブチュvv
ミーメは、バドとジークフリート、2人の見ているその前で、いきなりシドにキスをした。
『!!!!!??????』
それを見て、言葉にならない言葉を発するバドとジーク。
『ミ、ミ、ミ、ミーメ!!!!なんてことを!!!!』
『俺のシドのくちびるを奪うなんてえええ!!!!』
『フフフ・・・、シドのくちびる、私が奪っちゃったv』
『て、てめえ!!!』
ゴゴゴ・・・!!!
バドとジークフリートに凄まじい殺気がみなぎる。
『ふふん♪、悔しいのかい?』
そんな二人を可笑しそうに嘲笑うミーメ。
『だったら、私からシドを奪ってみせなよ?、それができるんならね』
『おもしれえ!奪ってやろうじゃねえか!!』
ミーメとバド、2人の視線が激しく火花を散らす。
『まあ、落ち着けバド。ミーメは手強い。下手なことしたら私たちまで危ないぞ!』
『そ、それもそうだな・・・だが!俺はミーメにシドを奪われたまんまってのが気に食わねえ!!絶対奪い返してみせる!!』
かくして、シドを巡ってのミーメとバドの戦いが繰り広げられようとしていたが、
『ストリンガーれくいえむ・・・・・!?』
ゴツン!!
『シャドウバイキングたいがーくろう・・・・・!?』
バキッ!!
2人が同時に技を繰り出そうとした、まさにその時!
突如2人とも拳固で後頭部を殴られたのだ!
『・・・いってえええ!!誰だ!?』
背後を見ると、そこにはトールが立っていた。
『たく、お前ら、シドが凍死寸前だという時に、一体なにを遊んでいるんだ?』
『別に遊んでる訳じゃねえ!!俺かミーメか、どっちがシドを好きにできるか・・・もとい!温めるかを賭けて決闘しようとしてたんだよ!』
『シドなら、すでにジークフリートが温めてやってるぞ』
『なっ・にいいいい!?』
観ると、確かに今まで側にいたはずのジークフリートはいず、向こうの方でちゃっかりシドを抱え込んでいたりしていた。
『あんの野郎!!俺とミーメをぶつからせておいて、その間にちゃっかりシドをいただくとは、いい度胸してんじゃねえか!!!!』
バドはジークフリートに文句を言おうと、彼の側に行こうとすると、すかさずトールに襟首捕まえられてしまった。
『なにしやがるトール!?離せ!!』
『いや、バド、シドはジークフリートが温めてやっているのだから、もういいじゃないか』
『よくねえよ!!!シドは俺のもんだ!!ジークになんか渡すかよ!!!』
『・・・ま、まあ、事情は色々あるかもしれんが・・・・』
バドとトールがなにやら言い合ってる間にも、
ジークフリートは、冷たくなってるシドを愛しそうに抱きかかえては、小宇宙を燃やして温めていたが、シドは一向に目を醒ます気配はない。
心配してきたジークフリートは、そっとシドの胸に耳を当ててみた。
すると・・・・聴こえるはずの心音が聞こえないではないか!
なんと!シドはすでに心拍停止の域にまで達してしまっていたのだ!
このままでは本気でヤバイ!
その様を側で見ていたフェンリルもアルベリッヒもハーゲンも、ジークフリートの尋常ならざる気配に気付いた。
ジークフリートは顔面蒼白で、シドを凝視している。
『どうしたんだ?ジーク?』
フェンリルがジークフリートに聞いてみた。
『・・・そ、それが・・・シドの心音が聴こえんのだ!』
『なに!?』
『・・・ちょっと貸してみろ』
アルベリッヒがシドの胸に耳を当ててみると、確かに聴こえない。
『これはマズイな・・・とりあえず心臓マッサージをする必要がある。それと人工呼吸も』
『なにい!シドに人口呼吸だと!?』
『ああ、俺が心臓マッサージをするから、誰か人工呼吸をしてくれないか?』
すると・・・
『ならば私が・・・!!』
『いいや、俺がする!!』
『いや、私がしよう!!』
またしても揉めるジークフリート&バド&ミーメの3人組。
『シドってモテモテだな』
その様を見ていたフェンリルがぽつりと呟いた。
『誰でもいいから早くしろ!急がないとシドが手遅れになるぞ!』
そのアルベリッヒの言葉に、フェンリルがはいはーいと手を挙げた。
今ならジークもバドもミーメもお互い牽制しあって、役にたたない。
アルベリッヒは心臓マッサージ担当だし、残るのは、ハーゲンとトールだが、ノーマルなハーゲンはたとえ人工呼吸であろうとも男と口を付けるなどイヤだろうし、トールは揉め始めた3人組をなんとか宥めるので精一杯だ。
ここは、このフェンリルしかいない!
その様を見たアルベリッヒも、他の奴らは使い物にならないと知り、あっさり承諾した。
『いいだろう。ならフェンリル。お前がシドに人工呼吸をしろ。やり方は分かっているな?』
『もちろん!』
フェンリルは得意満面に頷いた。
『よし、いくぞ!』
こうして、アルベリッヒとフェンリルで、シドの蘇生処置が行われた。
さすがは博識なアルベリッヒは、まるで本物の医者のごとく心臓マッサージをしている。
フェンリルも冷たいシドのくちびるから温かい息を吹きかけて、頑張っていた。
そしていつの間にか、揉めていた他の5人もその様子を固唾を飲んで見守っていた。
しばらくして・・・・
シドの心臓が再び動き出した。成功だ。
『・・・ふう。よくやったぞ、フェンリル』
『へへ・・・』
珍しくアルベリッヒに褒められて得意のフェンリル。
『・・・アル、シドは大丈夫なのか?』
ジークフリートが心配げに訊ねてきた。
『ああ、お前らが馬鹿なことしてる間に、シドは助けてやったよ。これで貸し2つだな、ジーク?』
と言って、ニヤッと笑うアルベリッヒ。
『・・・ふむ、確かに・・・』
ジークフリートも煮え切らない表情のまま頷いた。
バドとミーメはなおも心配そうにシドを見ていた。
心臓は動いたものの、依然意識は戻らない状態なのだ。
『おい、シドは本当に大丈夫なのかよ?』
バドもアルベリッヒに詰め寄った。
『多分な。あとはこいつの体力しだいだ。ま、そんなに心配なら、ベットの中で温めてやればいいさ』
『・・・・・』
まるで冗談なのか本気なのか分からないアルベリッヒの言葉に、バドとジークフリートは顔を見合わせ、同時に頷いた。
そうか、その手があったか!と。


あとがき

シドvsカミュ戦の後日談で、フリージングコフィンに閉じこめられたシドを助ける為
神闘士たちがシド争奪戦を繰り広げるお話です。
シドは色んな意味でモテモテですね^^
次回、こうご期待!?
 
 

シド、2つの顔を持つ男!


そして・・・・
『・・・・ううーん?』
『シド!?目が覚めたか!?』
ようやくシドが目覚め、ホッと一安心のジークフリートとバド。
シドはベットに寝かされていたのだ。
そして彼の左右、まるで挟むかのようにジークフリートとバドも寝ていたが・・・

シドがベットから体を起こすと・・・
なんと彼は・・・全裸だった!
『・・・うわああ!?』
思わず悲鳴を上げるシド。
『なっ!なんで俺は裸で・・・・??』
『覚えていないのか?シド。お前は氷の棺に封じ込められて、凍死寸前だったのだぞ?そんな冷えたお前の体を温める為に、こうして裸で抱き合って、小宇宙を燃焼させていたんだ』
『そうだぞ!俺たち2人の小宇宙によって、お前は甦ることができたんだ!』
見ると、ジークフリートもバドも、シドと同じく全裸だった・・・
それを見て、思わず絶句するシド。
『な、な、な!?不潔だ!!2人とも!!いくら俺の体を温める為とはいえ、同じベットに3人も!?しかも小宇宙で温めるのに、全裸で抱き合う必要などどこにある!?それにパンツまで脱ぐことはないだろう!?』
そう言われてみると、確かにそうである。
が、
『ご、誤解だ!シド!!』
『そうだぞ!落ち着けって!!』
慌ててシドをなだめるジークフリートとバド。
『ナニが誤解だ!?これが落ち着いていられるか!?男3人で1つのベットで全裸で抱き合って寝ていただなんて、考えるだけに虫唾が走る!!寒気がする!!鳥肌が立つ!!うわああ気持ち悪い!!!!』
『がーーーーん!!!!』
あまりにもストレートすぎるノーマルシドの言葉に、ショックを受けるジークフリートとバド。
『まさか、よりにもよって、俺の尊敬する兄さんが・・・!?、敬愛するジークフリートが・・・!?そういう趣味の持ち主だったなんて・・・・!!!ホモだああ!!最低だああ!!!』
完全に混乱して、キレてるシド。
『俺は・・・俺は・・・・!?もう誰も信じられん!!』
そして、シドは全裸のまま、バッと外へ飛び出して行ってしまった。
『ああ!シド!!・・・・・裸なのに・・・・』
後に残されたジークフリートとバドは、裸で飛び出して行ってしまったシドを止めることもできず、ただ心にふかーい傷を負った。

シドは走った。
今、自分が全裸であることなど、もはや忘れているようだ。
途中ですれ違う神闘士たちが。口々に、
『おう!シド、裸で走り回るなんて、元気になってよかったな!はっはっは!!』とトール
『シ、シド!?お前、服着てないのか!?』とフェンリル
『ん?シド・・・?・・・って、ぐはっ!?』とハーゲン
『・・・・ふ、無様だな・・・シド・・・・』とアルベリッヒ
そして・・・・
『シド・・・!?』
走り疲れてヘトヘトになったシドが最後に辿り付いた場所。
そこは、よりにもよって、ミーメの元だった。
『・・・はぁ・・はぁ・・・!!』
『シド・・・君の方から私の元まで会いに来てくれるなんて、嬉しいよ!』
ミーメは、シドにガバッと抱きつくと、そのまま押し倒した。
『さあ、疲れたろう?僕も疲れた・・・なんだか、とっても眠いんだ・・・・・パトラッシュ・・・・・』
『・・・・って、パトラッシュじゃないわ!!!!』
ガバッ!!
シドは、いきなり「フランダースの犬」のネロ風になったミーメを振り払い、起き上がった。
『はは・・・シドったら、わざわざ服を脱いでから、私の元に来るなんて、抱いてくれ!と言わんばかりじゃないかvv』
『・・・ミーメ・・・・、お前までホモなのか!?』
『え?お前まで?ははは、やだなあ、私をあいつら変態ホモ野郎と一緒にしないでくれよ!私はあくまで真面目に君を抱きたいと、モノにしたいと、掘りたいと、そう思ったまでだ』
『どっちにしろホモじゃねえか!!!』
『・・・・君、本当にシド?、なんだか口調がバドみたい・・・・?』
説明しよう!
実は、シドは本気でキレると、バド以上に口が悪くなり、かつ、性格も90度豹変してしまうのだ!
つまり、豹変!彼氏だったのだ!
『・・・ハァ、ハァ・・・ミーメ・・・・なんなら、俺がお前を掘ってやってもいいんだぜ!!』
『えっ!・・・シド・・・本当?v』
なぜかトキメクミーメ。
『わあvなんだか今のシドって、バド以上にバドらしく、ワイルドで、ぜひ抱かれてみたいvっていうか、抱いてvって感じ〜?』
『フッ、その言葉、本気だな?、なら「やめて!」と泣いて懇願するくらいに激しく抱いてやるよ!!何度でもな!!』
『うわvシド、素敵!!』
と、そこへ・・・・
『待て!ミーメ!抜け駆けは卑怯だぞ!!』
『誰だ!?』
見ると、そこにはシドを追ってきたらしい、ジークフリートとバドの姿が!
『なんだ君たちか・・・・』
せっかくシドに抱いてもらえるところだったのに、思わぬ邪魔が入って残念がるミーメ。
するとシドが、
『フッ、お前らも俺に抱かれてえのか?』
と、まるで品定めするかのごとく、ジークフリートとバドを交互に見る。
『・・・・・・え?、お前、シドか?』
あまりのシドの豹変ぶりに、シドのことならナンでも知ってるはずのジークフリートも、実の兄であるバドさえも、信じられなかった。
まるでバドが2人いるかのようだ。
しかもこのキレたシドは、バド以上に言葉も悪いし、態度も悪そうだ。
そしてシドは呆然とするジークフリートに向かって、目を細めると、
『おい!そっちの背の高い男・・・ジークか?、イイガタイしてんじゃねえか!今晩この俺がたっぷり可愛がってヤルよ!』
『・・・わ、私か・・・?か、可愛がるって一体・・・・・・?』
なぜかドキドキするジークフリート。
(シ、シド・・・・なんだか分からんが・・・・素敵だ!!)
いつにもないシドの豹変ぶりに、あの男らしいジークフリートまでトキメいてしまっていた。
それからシドはバドに向き直ると、
『バドの兄貴も、俺がたっぷり可愛がって犯してヤルから安心しな!なんならミーメとジークと兄貴の3人を同時に相手してヤッてもいいんだぜ?』
とウィンクしてみせた。
『・・・・お、お前・・・・本当にシドなのか!?』
バドは、このシドが、あの紳士的で優雅で華麗で誠実で真面目で耽美でストイックで気品漂う・・・とにかく、あのシドと同一人物だとはとても思えなかった。
(シ・・・シドの奴、一体どうしちまったんだ?俺以上にワイルドっつーか、なんか、かっこいいじゃねえか!!)
バドまで、この豹変シドにトキメイテしまっていた。
ミーメ、ジークフリート、バドの3人は、いつもと全然正反対イケイケゴーゴーな男らしい(?)シドに夢中だ。
『ねえ、シドv私を一番最初に抱いてくれるんだよね?』
『いや、私だろう?シド』
『馬鹿言うんじゃねえ!当然俺からだろ?』
『フッ、まあそんなガッツクなよ。3人同時に相手してヤルっつっただろ?』
シドに群がる男3人を上手に手玉に取って、邪笑を浮かべるシド。

どうやらシドは完全に別人のようになってしまっていた。
もしかしたら二重人格者だったのかもしれない。
普段はまるで貴族のように清楚で可憐で大人しいシド。その旨、実はもう1つの裏の顔は、バド以上に凶暴で手のつけられない男だったのだ!
シドこそ、サガ以上に危険な、2つの顔を持つ男なのかもしれない・・・・


あとがき

眠れる森の美女、もとい!、眠れる氷の棺のシドの続編です。
シドが本気でキレて、もはや別人と化しています。
というか、バド以上にガラが悪いですね、キレたシドは(滝汗)
さーて、どいつから可愛がってやろうか・・・?
 
 

バドvsシュラ

バドvsシュラ
男気対決?

シドvsカミュ戦を、柱の陰からこっそり覗き見ていたバドは、突然背後に迫った殺気に、慌てて柱から飛び退いた。
その、今までバドのいたあたりの空間の柱が、突然鋭利な刃物で切り裂かれたように、スパッと切断されて地面に倒れ、轟音を轟かせた。
『・・・・っ!?誰だ!?』
バドが殺気のした方を振り向けば、そこには・・・
聖剣エクスカリバーを構えたシュラの姿が・・・!
『・・・お前がアルコルのバドか?』
『貴様は・・・・カプリコーンのシュラ!?、いきなり背後から襲うとは、どういうつもりだ!?』
『・・・ふっ、弟の心配などするよりも、まずは自分の心配をしろということだ・・・』
『なに!?』
シュラが右手を軽く一閃すると、その軌跡がスッパリと切断された。
『・・・っ!?』
思わず言葉を飲むバド。
『・・そうか、それが噂に名高い、聖剣エクスカリバーというやつか・・・・』
『・・・・』
『ならば俺も本気を出させてもらうぞ!』
バドは構えを取ると、その爪が鋭く伸びる。
『行くぞ!シャドウバイキングタイガークロ〜ウ!!!』
まるでサーベルタイガーの牙の如く、鋭くシュラへと爪を繰り出すバド。
だがシュラは、
『ジャンピングストーン!!』
高い脚力によって、バドの技をかわしていた。
そのさまは、まさに虎からジャンプして逃げる山羊のようだ。
『くっ!?』
そして空中から、バド目掛け、エクスカリバーを一閃させる。
バドは慌ててそれをかわした。
今までバドのいた地面がパックリと割れる。
それを見て戦慄するバド。
なんて危険極まりない技なんだ。
あんなものマトモに食らったら、それこそ肢体をバラバラに切断されてしまうだろう。
とりあえずバドは、シュラから距離をとった。
シュラはバドに向かい、構えを取ると、告げた。
『アテナのお命がかかっているのでな、お前と悠長に遊んでる時間はない。さっさと終わらせるぞ!』
そして右手を一閃すると、またしてもバドのいる辺りの地面がサクッと切断された。
それをなんとか避けつつ、シュラに向かい、技を放つバド。
『シャドウバイキングタイガークロ〜ウ!!!』
シュラも咄嗟にそれを避けた。
が、
ガシッ!!
『なに!?』
シュラはいきなり背後から、バドによって羽交い絞めされた。
『ふっ、これなら自慢のエクスカリバーも使えんだろう。もし使えば、自分の体も一緒に切断することになるからな!』
確かに、こう密着された状態で切れ味鋭いエクスカリバーを使えば、バドはもちろんのこと、シュラ自身をもザックリ切断してしまうことになる。
『・・・くっ!!ジャンピングストーン!!』
シュラはなんとかバドから逃れようと試みるが。
『無駄だ。虎は一度喰らい付いた獲物は決して逃しはしない!諦めろ』
まさに虎が山羊に喰らい付くがごとく、シュラを羽交い絞めして、決して離れようとしないバド。
『・・・・おのれ!!』
最もアテナに忠誠心厚き男・シュラは、こうしている間にも、アテナが大変なことになっていることが許せなかった。
こうなったら、もはや自分をも犠牲にして、バドを倒し、彼のオーディンサファイアを他の黄金聖闘士に託すしかないのか?


あとがき

バドvsシュラ
男らしい対決です。
続きものっぽいですが、多分続かないと思います・・・
ごめんなさい(死!
エクスカリバー!!
 
 

ジークフリートvsサガ

ジークフリートvsサガ
リーダー対決

ここは、ワルハラ宮殿前。
そこでは、2人の最強の男が対峙していた。
『貴様が聖域のジェミニのサガか?』
『そうだ、アテナのお命をお救いする為、ジークフリート・・・お前には死んでもらう!』
『フッ、面白い!、殺れるものなら殺ってみるがいい!』
『行くぞ!、アナザーディメイション!!』
『ふん、こんな幻影など、この私には効かんわ!』
サガの異次元攻撃を難なくかわすジークフリート。
『今度はこっちから行くぞ!、オーディンソード!!!』
『ふっ、お前こそ、その程度の技で、このサガに掠り傷1つつけることもできんぞ!』
サガも、ジークフリートの技をひらりとかわした。
『・・・さすがは、2つの顔を持つ男、双子座ジェミニのサガよ。前教皇シオンをその手に掛けたほどの男・・・、幼いアテナを殺そうとした男・・・、そう容易くは勝てる相手ではなさそうだな』
『・・・うっ!?』
(グサッ!!)
何気にサガの心を傷つけるジークフリート。
『くっ!黙れ!!ギャラクシアンエクスプロ―ジョン!!!』
星々の砕け散る様をジークフリートに体感させるサガ。
『なんの!ドラゴンブレ―ヴェストブリザード!!!』
ジークフリートも負けじと、サガに技を繰り出す。
2人は互いの技を食らいつつも、ボロボロになりながらも、それでも気丈に立ち上がり、決して倒れようとはしない。
『・・・クッ、こうしている間にも、アテナは・・・・!!』
『私はここで負ける訳にはいかんのだ!ヒルダ様の為にも・・・・!!』
お互い、大切な女性を守る為必死だった。
『なんとしても、ジークフリート・・・・お前のオーディンサファイアを手に入れてみせる!!』
『く、オーディンサファイアは貴様などには絶対渡さない!!』
あの十二宮での戦いで、最後にサガを許してくれたアテナの為に・・・・報いたい!!
心から敬愛するヒルダの為にも、ここで倒れる訳にはいかない・・・!!
それぞれ、胸に秘めた女性への想いに報いる為、2人の男は必死で殺しあった。


そして、極寒の魔女姉妹2人・・・・

それを、見鏡から覗き見ている者がいた・・・・
『キャーv、ジークフリートもサガ様も、どちらも頑張って!!』
『・・・・お姉様ったら、どちらの味方なのかしら・・・・?』
ヒルダとフレアだ。
ジークフリートとサガ、2人にエールを送る姉・ヒルダを見て、妹・フレアは呆れながらも呟いた。
『だって、ジークフリートも、サガ様も、どちらもオトナな魅力があって、フェロモンムンムンで素敵ですものv、どちらか1人だけを選ぶなんてこと、わたくしにはとてもとてもできませんわ!』
『・・・ジークフリートはともかく、サガの方はお姉様が勝手に一目惚れして片想いしているだけですのに・・・』
ヒルダは、聖域の温泉へ行った時に、サガに一目惚れしてしまっていたのだ。
『あぁ・・・ジークフリートも捨てがたいですけれど、サガ様も素敵ですわよねv』
なおもウットリ2人の対決を見つめるヒルダ。
『お姉様ったら、完全にあっちの世界へイっちゃってるわね・・・・』
フレアはそんな姉を呆れて見ながらも、2人の戦いはもちろんだが、それよりもハーゲンのことが心配でたまらなかった。
『・・・ハーゲン、大丈夫かしら・・・・』
『あら、フレア、ハーゲンのことが心配なの?、だったら、彼の元へ行ってみてはどうかしら?』
『そ、そんなの危険じゃない!周りには黄金聖闘士がたくさんいるのよ!もしバッタリ出くわしたりしたら・・・・私・・・私・・・・犯されてしまうじゃない!!』
『ま!、それは大変ですわね!』
『そうよお、こんな美少女見つけたら、聖域には男しかいないらしいから、絶対犯されてしまうわあ!!』
本気で貞操の危機を感じるフレア。
『でも、わたくし・・・・サガ様にでしたら・・・・v』
と、ポッと頬を染めるヒルダ。
『もう、お姉様ったら、ナニをありえないコト言っているのよ!あんなイイ男がお姉様に手を出す訳ないでしょう?、そうね、お姉様だったらきっと、たうらすのあるでばらんとか、きゃんさーのですますくとかがお似合いよ!!』
『なーんですってえ!!あんなのに抱かれてしまうだなんて!!わたくし、自殺いたしますわ!!』
なんだか口々にヒドイことを言っている姉妹だった。
一体、黄金聖闘士や神闘士たちは、誰の為に命までかけて戦っているのか、それを想うと、あまりにも酷すぎる姉妹の暴言である。
が、今この姉妹の会話を知る者は誰もいなかった・・・・



あとがき

最後の最後で真面目なシリーズだったのに、壊れてしまいました^^;
ジークvsサガって、私的には超萌え!対決なんですが、私なんかの足りない文才ではとてもとても書けませんでしたよ。

おしまい?
 
 

俺の女


今日は、俺の愛する女・広川の誕生日だ。
当然俺も、あいつの為にプレゼントを用意してある。
ずばり、俺自身だ。
これであいつも喜ぶだろう。
だが、俺には強力なライバルがいる。
そいつは、性懲りも無く、俺の広川を狙っている。
そう、そいつの名は・・・・ミーメだ!
『・・・バド、今日こそ君と決着をつける必要がありそうだね!』
『ああん?決着?なんのだよ?』
『フッ、しらばっくれるのもいい加減にしたまえ!当然、広川のことだ!』
『ふん、なにを言い出すかと思えば・・・・広川は俺の女だ!お前には関係ねえだろ!?』
『いつ、彼女が君の女になったんだ!』
『いつだと?そんなん、初めて会った時に、俺が一目惚れして、俺のモノにしたんだよ!』
そう、俺と広川との出会いは、唐突だった。
森に狩りに出かけた先で、俺は広川と出会った。
あいつは、雪の上に倒れていたんだ。
俺は急いで、広川をお姫様抱っこして、ワルハラ宮殿まで運んだ。
そして、ベットに寝かせて、口移しで薬を飲ませて、なんとか安静にした。
それから、改めてその寝顔を見た時、俺の心臓は高鳴った!
こんなにも美しい女が、この世にいようとは・・・!!
まさに、ヒルダ様以上に美しい女が、今、目前にいることが信じられなかった!
勿論、俺は、広川の外見が美人だからという理由で、好きになった訳じゃない。
なんていうか、こいつといると、楽しいんだ。
俺の孤独な闇も、広川の太陽のような明るさ、優しさの前では、薄れてしまう。
こいつの前では、俺も素直になっちまう。
不思議な奴だ。
俺は、そんな広川に徐々に惹かれていったんだ。
女なんか、好きになったことのない俺が、初めて愛した女、それが広川だ。
こいつにだったら、俺の全てを捧げてもいい!
そう思った。

そして今夜は、あいつの誕生日だという。
これは、俺のこの想いを告白する、絶好の機会だ。
もし、あいつが、俺の愛を受け入れてくれるのならば、俺もあいつをモノにしたい!
身も心も、全て、1つに結ばれたい!

『広川、今日はお前の誕生日だったな!誕生日、おめでとう!』
俺が照れながらも、そう言うと、あいつはにっこり微笑んだ。
その笑顔に俺はノックアウトだ。
そして、俺の手作りバースデーケーキの蝋燭の数が歳よりも異常に多いと、あいつは文句を言う。
だが、そんなところも可愛い。
ケーキを食べるあいつの仕草、その1つ1つが可愛くて、愛おしい。
それから、誕生日プレゼントは何だ?と聞いてくるあいつに、俺は言った。
『お前の一番欲しいもの、そして、俺の一番欲しいものだ』
まるで、謎めいた俺の言葉に、あいつはきょとんと首を傾げる。

以前、俺は広川に、なにか欲しいものはないかと聞いたことがあった。
その時、あいつは言ったんだ。
愛が欲しい・・・と。
それは、俺も同じだった。
幼くして両親に森に捨てられ、実の親の愛情も知らずに育った俺。
正直俺は、人なんか愛さない、愛せない、とそう思っていた。
だが、違った。
なぜなら、俺は広川を愛しているから。
初めて、本気で人を好きになったんだ。
こんな感情は初めてだった。
広川が、俺以外の奴と話したり、仲良くしている様を見ると、胸が苦しくなるんだ!
特に、ミーメの奴とは、異様に仲がいい。
ミーメは、女みたいな顔してるから、きっと広川も、女友達みたいな感覚なんだろう。
だが、俺は許せなかった。
広川がミーメと仲良くなればなるほどに、俺の嫉妬心は激しくなる。

そして、我慢できなくなった俺は、ミーメを呼び出して言ったんだ。
『・・・ミーメ・・・お前、広川とやけに仲がいいみてえだが、あいつは俺のもんだ、だから手を出すんじゃねえよ!』
だが、ミーメの奴は、さらっと言いやがった。
『別に、私は広川に手を出してる訳ではないが・・・・そもそも、本当に彼女が君のものなのかどうか、疑わしい限りだな』
『なに!?それはどういうことだ!?』
『彼女は、君だけのものじゃないって言ってるんだよ。私も、当然他の神闘士たちも、皆彼女のことが大好きだ。勘違いしないでもらいたいね!』
『なっ!?』
知らなかった。
広川のことを好きな奴が、俺の他にもいたなんて。
てっきり、俺だけのものだと思っていた。
そりゃあ、あいつの小宇宙は、ヒルダ様以上に暖かく、優しい。
あいつの側にいるだけで、その笑顔や、話をしているだけでも、暖かい気持ちになれる。
当然、俺以外の奴らも、あいつに安らぎを感じているだろう。
だが、俺は・・・・
それでも、やはり、あいつが俺以外の奴らと仲良くするのは、耐えられなかった。

だから、俺は広川を完全に俺だけのモノにすると決めたんだ。
身も心も、その全てを奪ってまでも、
そうすれば、広川は俺だけのものになる。
他の奴らには絶対に渡さない。
俺だけの・・・女だ!

そして誕生日に、その時は来た!
俺の、謎めいた言葉に、ようやく広川は閃いたらしく、ぽんと手を叩いた。
そして、こう言ったんだ。
それは・・・・

確かに、雪の上に倒れていた広川を、介抱したのはこの俺だ。
意識の無いあいつに、口移しで薬を飲ませ、なんとか意識は回復した。
その後も、食事をスプーンで食べさせてやったり、色々と世話をした。
そりゃあ、別に俺でなくても、他の奴でもよかったかもしれない。
だが、俺は好きであいつの看病をしたんだ。
それに、他の奴にこの任を取られたくなかった。
広川の側に、ずっと付いていてやりたかった。
あいつが元気になった後も、俺はあいつの側にいたかった。
でも、いずれは、広川はこのワルハラ宮殿、しいては、アスガルドから出ていってしまうかもしれない。
元々、あいつは、アスガルドの人間ではないし。
なぜ、雪の上に倒れていたのか、とか、そのことには一切触れないし、話さなかった。
無理に話させるのもいけないと思い、俺も深くは追求しなかったが。
それでもやはりあいつの過去は気になった。
叶うならば、どこにも行かないで欲しい。
ずっとこのアスガルド・ワルハラ宮殿に留まっていて欲しい。
そして、俺と一緒に・・・・いて欲しい。
側を離れたくない!
だが、俺のこの想いは、あいつには、広川には、やはり重荷になるのか?
だとしたら、あいつの為にも、俺は手を引くしかないのか・・・・?
この、叶わぬ想いと共に・・・・

だが、広川の言葉が、俺を絶望の淵から救い出してくれた。
そう、あいつはこう言ったんだ。
一番欲しいもの、それは俺のことだと・・・
広川の一番欲しいもの、それは俺だったんだ!
正直俺は驚いた。
てっきりフラれるかと、そう覚悟を決めていたからだ。
だが、広川は俺を選んでくれた。
こんなに嬉しいことが他にあるだろうか?
俺は広川から、色んなものを貰った。
暖かさ、優しさ、安らぎ、楽しさ・・・
だが俺はなにもくれてやることができなかった。
それでも広川は俺を選んでくれた。


俺は広川をそっと抱き締めた。
温もりが暖かい。
俺の愛する女の暖かさに包まれ、俺は幸せだった。
あいつは、そっと目を閉じた。
俺は、そんなあいつにキスして・・・・

今夜は、俺にとっても新しい誕生日だったのかもしれない。
今までの、人を信じられなかった俺が、愛せなかった俺が、初めて人を信じ、心から愛することができたからだ。
そんな俺に生まれ変わらせてくれたのは、広川・・・お前なんだ。
俺は一生お前を離さない!
ずっと一緒だ。
永遠にお前を愛してやる。
だから、広川・・・いや、幟・・・お前も、俺を愛してくれ・・・・



あとがき

ハッピーバースディ・広川さん!!
この小説は広川さんに捧げますv
どうぞ貰ってやってください!
バドとミーメと広川さんの三角関係ということですが・・・・ミーメ、出番全然少なっ!!
すいませーん!
なんかまんま、バド→広川さん風味になりましたが、広川さんのお口に合うかどうか・・・・
初めてのドリーム小説なので、許してあげてくださいね!
って、ドリームなのかどうかも怪しいもんですが^^;
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にかさんの誕生日


瞑想していたシャカは、突如ある重大なことを思い出し、目を開いた!
『・・・はっ!?今日は、我が愛弟子・にかの誕生日ではないか!?』
にかは、シャカの弟子の中でも、最もシャカが可愛がって、目をかけている愛弟子なのだ。
『なぜ、このような大事な日のことを忘れていたのだ、私は!このシャカ、一生の不覚!!』
なんにしろシャカは、にかの誕生日を祝う為に、急いで準備に取り掛かることにした。

そして、にかを、処女宮・沙羅双樹の園に呼び出した。
何事かと、首を傾げるにかに、シャカは言った。
『にかよ、今日は君の誕生日であったな!、このシャカが直々に祝ってやろうというのだ。感謝したまえ!』
シャカにそう言われ、初めてにかは、今日が自分の誕生日だと気付いた。
『そんなところに突っ立ってないで、早くここに座りたまえ!』
沙羅双樹の入り口に立ったまま動かないにかを、テーブルと椅子のある方へと手招きするシャカ。
にかは、シャカに言われるままに、椅子に腰を下ろした。
『さあ、にかよ、君の為に、私が腕によりをかけて作ったものだ』
と、テーブルに出されたものは、てっきり誕生日ケーキかと思いきや、それはなんと!
カレーだった・・・
それを呆然と見つめるにか。
『どうした、にかよ?嬉しくないのか?』
いや、誕生日ケーキにカレーを出されても・・・・と、困惑するにかだったが。
せっかくの我が師・シャカの御好意を無碍にする訳にもいかず、にかはカレーを美味しそうに食べた。
さすがは本場インドのカレーだ。とても辛い。だが美味しかった。
我が師直々の手作りカレーを食べられるのは、弟子の中でも、にかくらいのものだろう。
他の者など、味はおろか、匂いも嗅がせてはくれないだろう。
それはある意味光栄なことだが。
カレーを美味しそうに食べるにかの様子に、シャカは満足気に微笑んだ。
『どうだ、にかよ、美味いであろう?』
にかも頷いた。
『フッ、当然だ』
シャカはさもあらんと、鷹揚に頷いてみせた。
本当にシャカのカレーは美味しいのだ。だが肉が入っていないのが唯一の心残りだが。
食事も終え、大満足のにかに、シャカは唐突に聞いてきた。
『にかよ、今日は君の誕生日だ。よってこのシャカが君になにかをプレゼントしたいのだが、果たしてなにが欲しいのだ?正直に言いたまえ』
いきなりそんなこと聞かれても困るにかだが、そんな押し黙るにかに、
『君が決められないのならば、このシャカが決めてやろう!』
と、シャカは勝手に決めることにした。
それに焦るにか。
実は、彼女はシャカからどうしても欲しいものがあったのだが、さすがにそんなことは言えずに、押し黙ってしまったのだ。
そんなにかの内心の葛藤も知らずに、強引にことを進めるシャカ。
『そうだな・・・・まずは・・・・体を清めることにしよう。にかよ、私と一緒に入浴するがよい』
(・・・はあ!?)
シャカの言葉に、さすがに驚愕するにか。
そりゃそうだ。シャカはこう見えて男だ。
そしてにかは女だ。
男女が一緒に入浴するなど、もってのほか!
だが、躊躇するにかの腕を掴んで、ぐいぐい風呂場へ引っ張って行くシャカ。
シャカにとっては、そもそもにかが女性であることなど関係無いらしい。
『どうした、にかよ?なにを躊躇する必要がある?』
戸惑うにかと対照的に、シャカはどんどん服を脱いでいく。
やはりシャカは綺麗だと、にかは思った。
男なのに、まるで女性のように白く細い華奢な体、流れるような長い金髪、そして下は・・・フンドシ着用である。でもあるものは、ちゃんとある。
思わず赤面して俯くにかを、不思議そうに見ながらも、シャカは彼女の手を取って、入浴場へ・・・
そこは・・・・上からもの凄い勢いで水が流れ落ちる場所、そう、滝修業場所だったのだ!
シャカの言う、体を清めるということは、一緒にお風呂に入ることではなく、滝修業によって、体・精神ともに清め、鍛えようということらしい。
ま、シャカらしいといえばそうだが。
にかは、自分が重大な勘違いをしていたことに、ようやく気付いた。
シャカに、色気を求めてはいけないのだ。
そもそもシャカの辞書には、そういう男女の如何わしいコトなど載ってはいないのだから・・・
『にかよ、服着用のまま滝に浸かりたいのならば、私も構わぬが、それでよいのか?』
さすがに女性がフンドシ一枚で滝に浸かる訳にもいかず、にかは頷いた。
『よろしい。では行くぞ!』
言って、シャカは滝の下に潜って、激しい水をその身に浴びた。
一体シャカのどこにこんな激しい爆水に耐えれる力があるのか、シャカは滝水をなんなく受けている。
その様子に、にかは改めて、シャカの凄さに気付いた。
やはり我が師・シャカは偉大なお方だ!と。


こうして、修業も無事終わり、体を清めた2人は、沙羅双樹の園へと戻ってきた。
『さて、にかよ、これから私とナニがしたい?』
(・・・え?)
男女が体を清めた後に、することといえば・・・・!?
いや!シャカに限ってそれだけはないだろう?
だが、シャカは真剣な表情で、にかの返事を待っている。

どうする!?にか!?


いきなりですが、ここから質問です。
にかさん、シャカになにして欲しいですか?

あとがき

にかさん、お誕生日おめでとうございます!!
この小説は、にかさんに捧げますvどうぞ貰ってやってください!
シャカvにかさんでプラトニックラブとのことでしたが・・・
シャカが相手なので、変な誕生日になってしまいました。
ごめんなさい^^;
しかも続きものだし・・・
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シャカの昔語り

にか誕の続き
シャカの昔語り?

にかがシャカにして欲しいこととは・・・・?
『なに、私の話が聞きたいと?、それが君の望みか?』
にかは頷いた。
『よかろう、ならば話してやろう、その間、私にマッサージをしてくれたまえ!』
え!?あの、滅多に他人に体を触らせない我が師・シャカが、人にマッサージを頼むなど、珍しいこともあるものだ。
『なにを躊躇している?、私は君にマッサージをしてもらいたいのだ。それともこのシャカの命令が聞けぬと、そう言うのかね?』
いや、滅相もない。シャカの御身に触れることができるなど、これ以上の光栄なことがあろうか。
そして、寝そべるシャカに、にかは緊張しながらも、マッサージを始めた。
『・・・・ふむ、なかなかうまいではないか』
シャカはにかのマッサージが気に入ったご様子だ。
それにホッと一安心のにかだが、それ以上にドキドキ緊張してしまうのも確かだった。
『・・・では、話してやろうか、私の生い立ちを・・・・』
そしてシャカは自分のことを語りだした・・・・

『私は、人から生まれたのではない』
え?
『蓮の花から生まれたのだ。天上天下唯我独尊と言いながら、右手を掲げて人差し指を立ててな』
なんとシャカは人間から生まれたのではなかった!
蓮の華から生まれたというではないか!
やはりシャカは人間ではなかったのか!?
『・・・信じられぬか・・・?』
思わず驚愕するにかの気配を感じてシャカは笑った。
『フッ、さもあらん。だがこれは本当のことだ。その証拠に、星矢のコミックス10巻の33ページを見てみたまえ』
・・・・・?
にかにはよく分からなかったが、どうやら本当のことらしい。
もとよりにかは、シャカの言うコトは全て信じていたので、シャカが蓮から生まれたということも疑わなかった。
それに、あのシャカである。
蓮から生まれてきても、なんらおかしくはないだろう。

『それから私は、仏陀に師事し、彼から教えをいただいた』
なんと!今度はシャカの師匠は仏陀だというではないか!
シャカ自身も人間ではなかったが、シャカの師匠もまた人間ではなかった!
『私は彼から色んなことを教わった。この世の理、諸行無常・・・、人はなんの為に生まれ、そして死んでいくのか・・・・、』
深い・・・!、深すぎる!!
さすがは我が師・シャカだ!
そんじょそこらの黄金聖闘士とは明らかに格が違う。
にかは、シャカの話を聞いては、ただただ感心するばかりだった。
こんな凄い相手に、自分が師事していると思うと、とても光栄なことだった。

『・・・そして私は、師のお言葉により、1つの結論へと至ったのだ』
にかが固唾を呑んで、シャカの言葉を待つ。
『それはすなわち、死は最後ではないということ。たとえ肉体は滅んでも、その魂は永遠である・・・・、輪廻転生・・・・・死は決して終わりではない。新たな始まりなのだ!』
そのシャカのお言葉に、にかは衝撃を受けた!
今までは、死ねばそれで最後だと思っていた。
だがシャカは、死は最後ではないと言う。
たとえ死し、肉体は滅んでも、魂は永遠に不滅で、なんどでも輪廻転生を繰り返し、生まれ変わり、生き直すことができるのだと言う。
さすがシャカだ!
そんな深いところまで悟りを開いておられるとは!
にかは改めて、シャカの偉大さ、に気付かされた。
やはり彼はただものではない。
蓮から生まれ、仏陀に師事し、悟りを開いておられる。
そんな、神に最も近い男・シャカだからこそ、六道輪廻や天舞宝輪のような凄い技を使うことができるのだ!


『・・・・君に話しておきたいことは、まだまだ尽きぬが、どうやらまた次の機会になりそうだ・・・・』
・・・え?
『・・・・・・』
自分の話をしながらも、シャカは、にかのマッサージがよほど気持ちよかったらしく、いつのまにか寝息を立てていた。
あのシャカが、無防備にも人前で眠ることなど考えられなかったにかには、それはとても驚くべきことだが、それ以上に嬉しかった。
シャカが、にかに心を許している証拠だからだ。
にかは、眠るシャカに・・・
今だけ、今だけでもいい、眠る相手に勝手にこんなことをするのは、しかもシャカが相手だ、これは到底許されることではないだろう。
だが、今だけは・・・・誕生日なのだ、きっとシャカも、そして神もお許しになるだろう。
にかは・・・眠るシャカの長い髪にそっと触れた。それはまるで金糸のようにサラサラとしている。
両手で掬ってみても、指の狭間からすり抜けそうだ。
それから、彼にそっと顔を近づけて、その閉じた長い睫毛の上、額にそっとキスをした。
にかがシャカに本当にして欲しいこと、彼から本当に望み求めるものは今回は貰うことはできなかったが、今はこれだけでも、にかにとっては無上の喜びだった。
そして、いつの日か、本当ににかが望むものを、シャカが与えてくれるまでには、まだまだ長い年月が必要だろう。
だが、それでもいい。こうしてシャカの側にいられること、シャカに触れられるだけでも、今のにかには満足だった。



あとがき

お待たせしました!、にかさん!
にか誕の続きで、シャカの昔語りです^^
でも私なんかの文才では、とてもとてもシャカ様を語り尽くすことはできず、
こんな不出来になってしまいましたが、どうぞお許しください!!(><)
一応コミックスとかも色々読み返してみたのですが、さすがシャカ様!
奥が深いですねえ!
ご苦労だったな、にかよ・・・
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