邂逅、そして・・・



ミーメはやはり湖畔で1人、バドのことを想っては、切なく胸を痛めていた。

バド・・・・君のことを想うと、私の胸は切なくなる。
なぜ私が君を諦めなければならないんだ。
本当はこんなにも好きなのに・・・
愛しているというのに・・・・
それでも、君にはシドがいる。
もはや、君とシドの間を引き裂くことなんかできない・・・・できるはずがない。
私も、君の孤独な気持ちがよく分かるから・・・・
君だけだと想っていた。私のこの孤独の闇を分かってくれるのは。
だから、私は君を愛したんだ。
でも君には、生き別れた双子の弟がいたんだね。
それがシドだ。
どうか、シドのことを大切にしてあげて・・・・

バドのことを想えば想うからこそ・・・
彼の幸せを願うからこそ。
ミーメはバドから身を引く覚悟はできていた。
それでも、やはりどうしようもない寂しさや切なさや、孤独感に苛まれて、ミーメはとうとう・・・・

ミーメはバドが側にいない寂しさを、自分自身を慰めることで癒そうと思った。
もう、それしか、今の自分を慰めることはできないと思ったから。
おもむろに、自分のモノに手を触れる・・・
「・・・あっ・・・」
もうミーメのそれは感じやすくなっていた。
さらに、もっと・・・・
「・・・ハァ・・・ハァ・・・・バド・・・・・」
息が荒くなってくる。
バドに舐められてるのを想像するだけで、恍惚としてくる。

指に粘りけのある液体が絡みつく。
どうやら先走りのようだ。
(・・・もう、こんなになってる・・・・・・)
ただ想像しているだけだというのに、こんなに濡れている自分が多少恥かしくなってきた。
(・・・私は・・・・一体、ナニをしているんだ・・・・・?)
指に絡み付いているそれを舐めてみると、なんだかしょっぱかった。

「・・・・あ・・・あっ・・・・・バド・・・・君が欲しい・・・・!」
自分で自分自身を扱きながらも、ミーメは思わずそう口づさんでいた。
バドに、彼に、抱かれたかった。
温もりが欲しかった。
愛されたかった。
必要とされたかった。
生きていることを実感したかった。
でもそれは、今となってはもう叶わぬ夢なのか?
ミーメは、バドに憧れていたのかもしれない。
彼の強さに、知らず知らず惹かれていた。

そう、ミーメが初めてバドと逢ったのは、いつのことだったろうか?
まだ、子供だったときだ。
いつものように森で動物たちに竪琴を演奏してやっていた、そんな時だった。
森の奥から1匹のウサギが慌ててミーメの側へと逃げて来たことがあった。
その時はなにごとかと思ったが、その後に姿を表した少年。
確かそれがバドだったに違いない。
今でこそミントグリーンの短髪をオールバックにしているが、当時のバドは前髪を垂らしていたのだ。
服装もボロボロで薄汚くて、どこぞの野生児か乞食のような風情だったとミーメは思った。
少年バドは、ミーメの足元に隠れてブルブル震えているウサギを見つけると、ミーメに言い放った。
「おい、そいつは俺の獲物だ。こっちへ渡してもらおうか?」
ミーメはそのウサギを見て、哀れに思った。
「そうはいかない。この子は怖がっているじゃないか。見逃してやってはどうだ?」
「そんなことは関係ない!俺だって生きていく為には必死なんだ、そいつら動物の肉が必要なんだよ!」
食うか、食われるか?
そんな弱肉強食の世界に生きているバド。
片や、森で竪琴を弾いて、動物達と戯れているミーメ。

ミーメは、バドの、そんな強さに憧れていたのかもしれない。


「ミーメ!?お前・・・・なにヤッテんだよ!?」
ふいに掛けられた、声に、思わずミーメはビクッと震えた。
今、とても聴きたかった声。
でも、それと同時に今、一番聴きたくなかった声。
そう、それは・・・バドだった。
バドは、1人Hしているミーメを見て、かなりうろたえた様子だった。
(あのミーメでも、こんなことするんだな・・・・)
よりにもよって、一番見られたくない相手に、1人Hの現場を目撃されてしまい、ミーメは羞恥に頬を染めた。

バド・・・どうしてここへ戻ってきてしまったんだ?
君は、シドと兄弟として、これからは幸せに暮らしていくつもりじゃなかったのか?
私は、それでいいと、君を縛る私の鎖から断ち切ってあげようと、そう思っていたのに・・・・
それなのに・・・・どうして・・・・?

せっかく、君のことを忘れようと、そう思っていたのに・・・・

「・・・・バ・・ド・・・・・?」
快楽で恍惚とした表情のまま、バドを見て呟く。
「・・・ミーメ・・・・お前・・・・?」
バドも、普段の凛としたミーメからはとても想像できない今のミーメのあられのない姿に、かなりの困惑を隠しきれなかった。
「ミーメ・・・どうしちまったんだよ、お前・・・?」
「・・バ・・バドに・・・逢いた・・かった・・・・」
ミーメは荒い息のまま、途切れ途切れに呟くと、さらに自分で自分のモノを刺激しては、快楽に表情を悩ましく歪める。
その表情のいやらしいことといったら、もともと美しいミーメが、さらに女性のように、眉をひそめて快感に酔いしれている様は、男が見たら一発で虜になってしまうこと間違いない。
そしてそれはバドも例外ではなかった。
だがバドはもちろんミーメが男だと知ってるから、ギリギリの理性でそれを抑制する。
「と、とにかくミーメ・・・もう、よせ・・・」
ミーメが一向に1人Hを止めないので、バドも同じ男としては、早く終わらせてやるか、手伝ってヤルか、まあどっちにしてもいつまでもこんなことをさせておけなかった。
しかもここは外だ。こんなところで男性の一番大切なトコロを剥き出しにしては、最悪、使えなくなってしまう恐れもある。
ミーメほどの、美しく、強い男の遺伝子が、この先受け継がれなくなることは、とても惜しいことだ。
バドはミーメの手をそっと掴んで、ソレから引き剥がした。
ミーメの手はかなりぬめっていた。
そしてソレも起立している。
ソレを見下ろしながら、どうにも困った心境のバド。
正直、ミーメのそれはあまり使っていないのか、とても綺麗だと、そう思った。
ミーメが、切なそうな、悩まし気な目で、ウットリバドを見上げてくるのも堪らない。
(・・お、落ち着け!俺。ミーメはこう見えても男だぞ!現にモノも付いてるし、それに・・・立っちまってるしよ・・・・)
バドは、ドキドキする心境のまま、ミーメのソレにそっと指を添えた。
途端、ミーメは感じるのか、敏感に反応してくる。
「あ・・・ああっ・・・・」
「ミーメ・・感じるのか・・・・?」
バドの問いに、ミーメはコクコク頷いた。
それを見て、バドは指で丁寧にミーメのモノを刺激してやると、ミーメも快感が走るのか、そのカラダがびくびくと震える。
「・・・ミーメ・・・・・・」
バドはふいに、そんなミーメが愛おしくなってきた。
普段はめったに他人に弱みを見せず、つねに冷静で凛としているミーメ。
そんなミーメが、今は、バドの前だけではまるで無防備で、男の一番大切なトコロ、いわば急所まで曝け出しては、そこをバドに触れられて快感に身を捩っている様は、なんとも堪らんものがある。
「ミーメ・・・・・」
今度はバドは、ミーメのモノにそっと口つけると、先をペロペロ舐めては、先走りを舐めとってやる。
「あっ・・・ああ・・・・バドぉ・・・・!!」
ミーメがしきりにバドを求めては、足をじたばたさせる。
そうとう感じてる証拠で、自分でも抑制が効かないのだろう。
バドはミーメのモノを口内に咥え込んでは、舌で先走りの出るあたりをちろちろ舐めつつ、ぐんぐん口の中に入れてくる。
その度にミーメは、快感に身を捩る。
どうやらバドの上の歯と下の歯がほどよくミーメ自身を刺激しているようだ。
それと、舌先による攻撃も侮れない。
ミーメはバドの上手いフェラに翻弄されていた。
そんなミーメの様子に、
(もう、そろそろだな・・・・)
限界が近いと感じ取り、バドはさらにミーメ自身を刺激してやった。
「あっ!・・・・・あーーー!!」
ミーメが、バドの口内で弾けた。
途端、口内に広がるミーメ自身のアレを飲み込んでやるバド。
ミーメは、射精の快感にぐったりして息も荒いようだ。
「・・・ミーメ・・・・?」
バドはそんなミーメの頭を優しく撫でてやると、頬にキスしてやった。
「・・バド・・・・どうして、ここに・・・・?」
今ごろ気づいたかのように、疑問符を投げかけるミーメに、バドは正直自分でもなぜここへ来たのか分からなかった。
が、無性にミーメに逢いたかったことは事実だ。
「・・・分からない・・・・ただ、お前に逢いたくて・・・・」
「バド・・・?」
ミーメは、やはり腑に落ちないのか、怪訝そうにバドを見ている。
「バド、君にはシドがいるだろう?・・・なんで、私のところになんか来るんだ・・・・?」
「ミーメ、俺は・・・・」
「もう、いいよ・・・・ごめん、変なところ見られてしまったね。今夜のことは、もう忘れて、君はシドのところに戻ればいいさ」
あくまで自分の気持ちに嘘をついて強がるミーメ。
本当は、バドが戻ってきてくれたことが嬉しかったのに。それを素直に表現できない。
(・・・ミーメ・・・さっきは俺に逢いたかったってうわ言のようにつぶやいていたのに・・・)
バドにもミーメのキモチが分からなかった。
それでも・・・
バドは、ミーメをこのまま残して行く気は起きなかった。
「ミーメ、こんなところにいたら風邪を引くぞ。さあ、」
とバドはミーメをお姫様抱っこした
ミーメは、目を伏せたまま、そっと囁いた。
「バド、君の部屋に連れていって・・・・」
と、なぜかその目は悲しそうだったが。
「・・・分かった」
バドもそれ以上はなにも言わずに歩き出した。



あとがき

広川さんのご要望通り段々エロくなってきました
ミーメちゃん1人H編です^^;
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