戦場で戦うバド&ミーメ
彼の名は傭兵ミーメ、真紅の髪を靡かせ、戦場から戦場へと渡り歩く血塗られた剣士。
彼が行くところに必ず累々たる死体の山ができる。
彼はまさに死の天使。
報酬を貰い、死をもたらす。
なんの感情も移さないその紅い瞳。
敵に止めを刺す時でさえ、なんの躊躇いもなく、その手にした血に汚れた真紅の剣で、敵の首をざっくりと切り落とす。
その首が賞金首であれば、なおいい。
傭兵と賞金稼ぎの両方の稼業を兼用しているミーメには、今までそうとうの貯蓄があるだろうに、それでもまだ足りないとばかりに戦場に赴き敵を狩る。
どんなにどんなに敵を殺そうとも、その腕は鈍ることもなく、確実に相手の息の根を止める。
どれだけ多くの報酬を得ようとも、ミーメの心は満たされることはなかった。
欲しいのは、金なんかじゃない。
では、なんなのか?
分からない・・・
それでも彼は、ひたすら敵を、相手を、人間を、殺し続ける。
それが彼に課せられた使命のように、ただ淡々となんのためらいも躊躇もなく、感情のない瞳で、次々と命を奪っていく。
その様はまるで血塗られた死の天使・・・死神のようでもあった。
戦場の同じ傭兵仲間たちでさえ、次第に敬遠され、「死神ミーメ」と恐れられるようになった。
そしてミーメはいつも1人でいた。
血に濡れた剣だけを抱えて、1人戦場を彷徨い歩く日々。
彼の名はバド。
剣もなにも持たないその男には、ある意味剣などよりも恐ろしい武器をその両手に隠し持っていた。
光速の速さで繰り出すその見えない剣撃に、敵はなすすべもなく散っていく。
自分がなにで切り裂かれたのさえ、分からぬままに。
首から、身体から噴出す血を止めることもできず、死んでいく。
その傷口は、まるで獣の爪で切り裂かれたように、鋭い掻き傷が5本。
まさに獣。
人間ではない。
そんな彼は、その日暮らしの殺し屋だった。
別に人の命を奪うことに躊躇はいらない。
かといって金や名誉が欲しいわけでもない。
ただ生きていくために、殺しをしている。
別に殺しを楽しむわけでもなく。
ある意味、仕事の一環のような感じだ。
彼にとって、生きていくことこそが、殺しだった。
そんな2人の男が、出逢った。
そしてお互いの運命の歯車が互いに噛み合い・・・狂いだしていく・・・・軋んだ音を立てながら・・・・
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あとがき
以前、広川さんが描いてくださった戦場で戦うバド&ミーメのイラストから
ヒントを得てさわりだけ書いてみましたw |
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